ウィザーズクライマー 感想

これだけソフトハウスキャラを信奉している我がサイトとしてはありえない話なのですが、今の今まで本作の感想を掲載しておりませんでした。これはひとえに私の怠慢であります。傑作ほど感想が書きにくくなるいつもの現象です。

良い時のキャラは、わけが分からないくらいハマって、1週間くらいで熱が冷めます。やってる最中は最高に面白いのに、後になると何がそんなに面白かったのか分からないという。
一方で本作、上記のパターンには当てはまりません。1週間超えてなお面白い。わけの分からないハマり具合が持続します。ある意味危険です。
巣作りドラゴン』の感想で、ちょうど1週間で熱が冷めるバランス配分が素晴らしいと書きました。あれは、1週間でやる事が無くなってしまう、という話の裏返しでもあります。そして1週間程度ではしゃぶり尽くせないのが本作です。
恐らく、ソフトハウスキャラ至上最高のバランスで周回要素が組み込まれています。周回による引継ぎでセリスを強化しなければフラグが立てられないゲームデザイン、そして引き継げるパラメーターの調整が絶妙です。
パラメーターの絶対値を伸ばすか、引継ぎ率を伸ばすか、はたまたイベントを進めるか。どう進めていくか自分なりに計画を立ててやれば、作業プレイが作業でなくなる不思議。イベントも何も消化せず、ひたすら体力極振りで育てて充実感を感じられるゲームは他に無いでしょう。
また、育成自由度の高さも、どハマリ具合を悪化させます。正統派の魔法使いセリスはもちろん、武装セリス、果てはステゴロセリスまでやりたい放題。いろんな育て方するからまたプレイ時間が延びるわけです。
あとはヴィオラです。キャラで一番好きなヒロインの一人です。キャラのお約束の集大成と言っても過言ではありません。モードを開放するごとに近づいていく距離、変化する態度、これだけでも堪らないのに、陥落後のあの変貌。「今夜は手をつないで寝てやろう」で機嫌直しちゃうチョロさと序盤のギャップがすさまじい破壊力。抜群です。

さて、そんなキャラ史上最高ヒットの本作ではありますが、そのヒット故に自身の首を絞めている側面が否めません。
ソフトハウスキャラといえば周回ゲー!みたいなイメージを持たれているユーザー皆々様、多いのではないでしょうか。先述の『巣作りドラゴン』では周回によるモード開放の楽しさで、本作では絶妙なパラメーター引継ぎで大ヒットしましたが、引継ぎ要素を上手く使って抜群に面白かったのって実はこの2本と、他にはせいぜい『グリンスヴァールの森の中』くらいだと私個人的には思っています。
本作以降のヒットで、例えば『BUNNYBLACK』シリーズなどは1周遊びきりなシステムですし、チーム++は完全引継ぎでバランス無視、しかもターン制限等が無いため引き継ぐ意味もあまり無し。
周回要素を組み込んでみたタイトルでは『雪鬼屋温泉記』や『門を守るお仕事』がありましたが、イマイチパッとしませんでした。『悪魔娘の看板料理』はゲームシステム的には抜群だったものの、難易度変更や周回でのモード開放が無くポテンシャルを発揮しきりませんでしたし、『プラネットドラゴン』と『領地貴族』の低空飛行2連発。
恐らくキャラ側としては、周回要素で面白くしてこそキャラだ!みたいなアイデンティティは持っていないにもかからず、ユーザー側がそういう変な期待を過度にしてしまって、なんかこう上手くいっていない。
もしかすると、チーム++の立ち上げって、そういうイメージからの脱却という意図もあったのかもしれません。

そういえば、しばらく本作プレイしていません。これが良い具合に冷却期間になっているはずなので、久しぶりに引っ張り出してきたらまたアホみたいにどハマリして遊べるんじゃないかと思います。 遊べるタイトルを物色する際はマストの一本です。

2018.10.26