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悪魔娘の看板料理 感想

いい感じの周回無双ゲーに仕上がりました。
出来の良いキャラ作品をプレイすると、1週間熱中して醒めた後、どうして俺はあんなに熱中していたんだろう、と狐に化かされた気持ちになります。
まさにそんな感じの本作です。

システムの出来は素晴らしいです。
適度な作業感、周回で引き継ぐ内容、初回難易度、良いバランスに仕上がっています。
何より素晴らしいのが、バグが無い点でしょう。
コンシューマでさえ後付の修正パッチで何とかしましょう、が当たり前になりつつある昨今、修正パッチなしでちゃんと遊べる物を提供する姿勢は褒められていいと思います。
しかし、残念ながらというか案の定というか、構成がイマイチパッとしません。
本作こそ、周回を重ねる毎の「○○モード」を搭載すべきでした。
せっかく目標設定があるのに、どうして初期のチュートリアル的なメニュー作成と借金返済しか項目が無いのか。
ここの使い方次第でいかようにもストーリーを持っていけるわけです。
難易度もいじくりようがあります。
実にもったいない。

このあたりの工夫次第では、同じく周回系システムでいうと『ウィザーズクライマー』クラスのスマッシュヒットも狙えたのではないかと思います。
また、散々引っ張ったわりに主人公の出自がストーリーに生かされません。
過去が明かされるシーンは取って付けた感がすごく強いです。
実はすごいやつだった!というのはキャラ主人公お約束ですが、どうせそれを踏襲するのであれば、後々の展開で当時を知るキャラクターが町に流れ着くとかそういう展開いくらでもやれるじゃないですか。
キィやサシィアーネなんてまさにドンピシャのポジションのヒロインがいるわけですし、それを先述の「○○モード」当てはめてやったら、もう大枠が見えてきます。
実に惜しいの一言に尽きます。

繰り返しますが、ベースのシステム自体は素晴らしいです。
そこの出来に妥協せず、詰めるところもう少し詰めたら更に化けるであろう一本でした。




以下、ゲームといえどもどうしても納得が出来ない更に細かいツッコミ

■食材仕入れ量がおかしい
料理販売数が1でも500でも、消費食材量が同じって納得いかない

■仕入先ごとに量の限界があるのもおかしい
国レベルで仕入れるなら分からんでもないが、一つの店で買える量が上限いってしまうってどういう生産体制なのか。
サシィアーネ曰く、何十万Bレベルで商隊組んでるって話じゃありませんか。
そんな仕入れ方した記憶ありません。

■メニュー改善で必要な食材偏りすぎ
黄金塩が完全に供給不足、のくせにそこまで市場価格高いわけでもなく

■周回無双ゲーなんだからやっぱり難易度変更ないのはちょっと

いや、キャラの商売系タイトルでは歴代屈指の出来なのは間違いないんですけれどね。