巨乳ファンタジー外伝2 感想

まずは一言言わせてください。
タイトルが紛らわしい。
巨乳ファンタジー外伝』と『巨乳ファンタジー2』がすでにありますので、『外伝』の2なのか、『2』の外伝なのか少々混乱します。
字面どおり考えれば、外伝』の2になりますが、あくまで外伝ですので2ってどういう事?となりません?少なくとも私は最初どちらの意味か判断しかねました。

「リュート最後の物語」との文言どおり、どうやらリュート主人公での巨乳ファンタジーシリーズは一旦完結のようです。
多少の寂しさが伴いますが、確かに潮時でもあります。
シリーズを重ねると、新規ユーザーはどんどん入りにくくなります。
加えて、既存のユーザーが買い続けてくれるとも限りません。
気がつけばシリーズも結構な本数出ましたが、話が連続しているものだけで『巨乳ファンタジー』『巨乳ファンタジー外伝』『巨乳ファンタジー外伝2』と3本あります。
三部作って響き良いですよね。
ユーロディア全土も手中に収めましたし、リュート自らも神聖魔族であることを理解しましたし、一通り遣り残したことも片付けました。
ヒロイン人数も膨れ上がり「総バストサイズ1131cm」の謳い文句はもはや自虐に近いです。
すでにこれ以上は蛇足というギリギリのラインに来ていますので、タイミングを見誤らず上手いことまとめたなという印象が強いです。

しかしながら記憶喪失とは、またベタなことをしてきたものです。
さすがに、近隣諸国ピンチ→リュート窮地を救う→王位ゲット、の連発では芸がありませんので、変化球を使いたかったのは分からんでもありませんが。
ただし、そこは腐っても巨乳ファンタジーです。
記憶を失ったリュートを異国の地に放り込むことで、「記憶喪失の主人公とそれに慌てふためき何とか記憶を戻そうとする周囲の人間」という眠くなりそうな展開は上手く回避しています。
極端な話マスクは、リュート・ヘンデ、ルイン・ディミディウムに次ぐ第三の主人公といっていいくらいでしょう。
どこにいようとリュートはリュート、『とっても!ラッキーマン』もびっくりなご都合展開と、要所要所での頭の冴え読みの鋭さで、結局成り上がってしまうあたりはお約束です。
しかもこれをしっかり話全体の起点にできるあたりはやっぱり鏡氏、安心感が違います。

リュートの話は本作で終わりですが、どうやら『巨乳ファンタジー2IF』なるものの製作は決定しているようです。
どこまでやるのかは知りませんが、なんやかんやでこれまで全部付き合ってきましたので、巨乳シリーズ最後までは付き合いたいと思います。
そろそろファンタジーも飽きてきたので、現代版『巨乳ファンタジー』なんかも見てみたいです。
巨乳魔女』の時は結局家庭内序列の話で終始してしまいましたし。
ただ、現代版で成り上がるとなると、経済の話を避けて通れない気がします。
巨乳魔女』もそれを避けた結果があれだったわけですし。
別に平成日本でなくとも、ロックフェラーやカーネギー、フォードなんかのアメリカンドリーム成功譚をベースに巨乳ヒロインをしこたまぶち込んで、面白おかしくなぞるような形でも私は構いません。
今後の展望はさておき、シリーズ完結を飾るタイトルとして満足の一本でした。