巨乳魔女 感想

巨乳ファンタジー』の流れを汲む作品ということで購入しました。
やはり面白かった作品の関連ソフトは買ってしまいます。
「前のが面白かったんだからきっとこれも面白いだろう」という安直な発想です。
単なる思考停止とも言います。

舞台が現代に移り、キャラクターも一新したのですが、どうも変わり映えがしません。
前作登場キャラクターの要素シャッフルが上手くいかずに、マイナーチェンジのレベルで落ちついてしまった感じです。
せっかく現代にきたのですから、もっと現代ならではの立場や役職みたいなものがあっても良かったように思います。
魔族一族の姉妹に女執事、シスターなんていうのは、あのなんちゃって中世世界でも出来た事ですから。
静女さんのライダースーツが素敵だっただけに、もっとああいうのが見たかったです。

また、全体的にダイナミックさに欠けました。
出世の度に赴任地や役職、部屋の豪華や食事、周囲からの評価まで何もかもが目まぐるしく変わっていくあの感じがありません。
ストーリーが非常に狭い地域で展開されます。
屋敷と学園と、あとはせいぜい病院くらいで話が完結してしまいます。
権力者の鶴の一声で出世できてしまったりする前作の世界観から舞台を現代に移して、そのあたりをどう描くのか気になってはいましたが、結局どうにもなりませんでした。
言ってしまえば「じじい、もっと大人になれ」という家庭問題で片付いてしまう話ですから。

巨乳シリーズの三大要素、「巨乳ヒロイン」「魔族」「トントン拍子の出世劇」のうち、三つ目がかなり不足していました。
まあ、この三大要素は私が勝手に作ったものなので、不足していたから何なのよって話なんですけれども。
ただ、その不足を補うような要素が欲しかったのは間違いありません。
「巨乳ヒロイン」と「魔族」が出てくるだけのゲームなんて掃いて捨てるほど出回ってますし。
「トントン拍子の出世劇」でなくとも構わないので、もう少し他とは違う何かを持ってきてほしかったなあという印象です。
しかし、現代を舞台にしたこと自体は悪くなかったと思います。

あのなんちゃって中世世界に閉じこもってしまうと、さすがにバリエーションも尽きるでしょうし。
外に出ていくのは大事です。
もちろん、相応の準備が必要になりますが。
意欲は垣間見えるものの、少々空回り気味な一本でした。

■追記
で、結局『巨乳魔女』の魔女って何だったんでしょうか。
「魔」族の「女」?最後までそれだけがしっくりきませんでした。