我が姫君に栄冠を 将軍の誘惑 感想

FDというのをプレイするは実に久しぶりだなという印象です。
FDを出すようなタイトルをやってないのか、FD自体あんまり出なくなっているのか、私がFD買うほど入れ込むタイトルがないのか、理由は定かではありません。
それにFDの中身も実用一点張りというか、制作側も無駄なコストを使わなくなっているというか、そういうのありません?
変なデスクトップアイコンとか壁紙が入ってたり、ミニゲームがやたら凝ってたり、とんと見なくなりました。
そういう話をしだすと一気に懐古厨感が増すので止めますが、まだそういうのって生きてるのでしょうか?


タカヒロのキャラデザは強い

さて本作、エスクドのIFルート?が一本ぶち込まれたロープラタイトル仕様のFDでございますね。
先述の流れをくむのであれば、結局ユーザー満足度が一番高いのってアフターストーリーか新規ルートってことなんでしょう。
気持ち、すごく分かります。

タカヒロ氏とはキャラデザのところで確実に趣味が合うんです。
我が姫』もそのあたりは例に漏れずで、さらに言えば背が高くて乳がデカいキャラほど合うという。
これは『姉しよ』以来不変の法則です。
その点で本作ヒロインのエスクドさんは、まさに条件ドンピシャでした。
ただ、そのわりに本編の方で存在感がイマイチだったのは、やっぱりノア陛下不遇の巻き添えでしょうか。
あのルート制限のかけかただと、どうしても後のヒロインほど有利なのです。
さっき人気投票の結果見てきましたが、まあそうよねっていう。
エスクドだけでなくラストにも負けてるというのが、なんとも悲哀。


巻き巻きの進行

緻密で繊細な描写とか別にタカヒロ氏に求めてはいませんが、今回はすっごいテンポよすぎで、さすがに若干やりすぎ感があったような気がします。
もうびゅんびゅん場面が変わっていくんですもん。
そんなに世界を縮めてどうするおつもりか。

登場キャラ数が極々限られていたので、もしかするとタカヒロ氏の話の作り方的に、キャラ数が出せないとこうなるのかもしれません。
思い返せば、一番キャラ数が少なかった(ような記憶がある)『きみある』の時ですらあれだけサブキャラ出してましたし、『まじこい』無印の時はサブキャラたちのキャラ付けアピール大会に辟易でした。
あれが再び開催されることを思えば、巻きでの進行、大いに歓迎です。


なぜこの出し方だったのか

本編メインヒロインたちに、実はタカヒロ作品中でも屈指の満足を覚えていました。
なんせ貧乳がいないからね、貧乳が。
それにサブヒロインルートが大分あっさりしていたので、出してくるとしたら『我が姫S』的な形かな、なんて思っておりました。
物量は十分以上にありますからね。

ここからは純度100%の邪推です。
まず好意的に解釈した場合。
このスピード感で出したことが最大のファンサービスです。
リリースが今年の3月末で人気投票が4月上旬。
そこから企画して9月末にリリースってのはすっごい頑張ってると思うのですよ。
メインヒロイン陣を差し置いての人気1位ですから、それこそ待望のリリースです。
実に素晴らしい

一方、最大限邪悪に妄想をした場合、本編思ってたほど売れなかった?みたいな。
売れなかったってことは絶対ないと思いますが、計画にはちょっと足りなかったから、人気投票1位のキャラで追加ルート作れば絶対売れるやろ!という可能性です。
FDは本編ファンが無条件で買いますし、新規素材も比較的少なめで作れますから、売り上げの補填するときはすぐFD作ってすぐ出すべし、なんてのは昔聞いたことがある話でして。

……いやね、完全に妄想ですよ? そういう妄想するの楽しいので。


おわりに

ファンディスクファンディスク言うわりには、公式サイトやFANZA GAMESの売り場では全然ファンディスクって言葉使ってないんですよね。
公式サイトのURLはスピンオフになってますし。
これは何か意図があるのかしら。
『まじこいA』でやってたことを、今度はヒロイン単体売りで仕掛けていくとかなるとホント強いと思います。
何よりDL版のみってのがいいですね。
中古が出回らない分、みなとそふとにしっかり販売が積みあがっていけば、またなんか面白いもの作ってくれるだろうという期待と安心感が膨らみます。
そのあたりも含め、次の動きが楽しみな一本でした。


2021.11.10