みにくいモジカの子 感想

問答無用のNitro+買いですが、原画がはましま氏で、主人公は相手の考えていることが読めるという能力持ちという、この辺に軽く既視感を覚えるのはきっと去年の『シンソウノイズ』のせい。裏でDMMが暗躍しているに違いない。
あとパッケージが正方形ですごく扱いづらい。棚に並べようとダンボールにしまおうと、縦横どちらかが絶対にはみ出します。これは暗に今後はDL版買えという誘導?

思ってたのと毛色が大分違いました。こういう雰囲気はCLOOKUPの仕事では?という第一印象。どこかでぶっ飛んだカタルシスを提供してくれるかという期待を、最後まで叶えてくれる事はありませんでした。どのエンドも、イマイチピンとこないというか、私の中ですっきり消化できていない状況です。それどころか、本作の主題すら掴みきれていません。スクールカースト下克上とか、ヒロインの欲望を暴いて解放するとどうなるとか、お互いに心の全てをさらけ出しているからこそ生まれる信頼とか愛とか、描かれているのはそういう安っぽい表面的な話では無いと思います。その裏の何らかの意図があって、それが本作の根底を支えるテーマであるはずなんですが、私の脳では処理能力不足でして。誰か賢い方おられましたら解説をば恵んでくんなまし。

エロシーンが、Nitro+らしくない力の入れ方してます。またその方向が、やはりCLOOKUPと同じ方向向いている気がするのは思い過ごしでしょうか。過去にエグいエロシーンはちょいちょい盛り込んでいたものの、こういう変態性欲需要に全力で立ち向かっていく、くらいに積極的なNitro+っていうのは違和感です。
余談ですが、地方民俗ネタを絡めた伝奇要素ありで、エグい変態度高めのシーンを次々投入するって言うのはこれ、本来なら『グランギニョルの夜』でやって欲しかった内容なんだよなあ……。

唯一(というのは失礼ですが)Nitro+らしさ全開だったのはビジュアルエフェクト。「モジカ」発動時の視界が狭まる演出、発動中の文字エフェクトはもちろん、コンセイサマの場面や、そもそも画面センターにテキストを1行ずつ表示っていうのが今までありそうでありませんでした。主人公の視点に拘った演出は徹底されています。
海外では一人称視点のゲームがFPSとして進化を遂げました。どうも彼らは一人称の没入感を得た時ドンパチ殺し合いをしたがるようです。一方日本では、一人称視点で最も発展しているのがこの美少女ADVの分野です。実に興味深いです。そして気づかされるのが、この一人称視点を演出できる媒体ってゲームしかありません。例えばマンガやアニメでほぼ全編一人称視点で展開させたとします。多分寝ます。絶対に画が映えない。かろうじて例外はAVでしょうか。古くはハメ撮りモノ、最近では風俗モノやVRなんかで取り扱いがあります。いずれにせよ、日本文化の感性がうかがい知れます。
この一人称視点を、意図的に使い倒している感はあります。ただ、先述の通りその視点を使うことで何を表現したいのか、それがイマイチな事にはどうしようもないのです。まさか、世界一醜い男体験ADVってわけでもありますまい?

ハッキリ言って消化不良です。スッキリしません。いや、ムカつく女をボコボコにする爽快感はあります。これはこれでとても楽しい。でもそれが目的ならもっとやりようがあるでしょうし、別にNitro+がやらなくても他所の誰かがやってくれそうな仕事です。身心視姦ADVというジャンル設定も何かしら意味ありそうな気がしていますが、さて。
完全に開き直って、M男虐待ゲームとか銘打っていただけたらこんなに悩む事もなかったのにという一本でした。

2018.08.22