英雄*戦姫 感想

DMMでセールだったんですよ。
本作と『GOLD』のセットで3,000円は激安です。
DL版バンザイですね。

本作の情報が世に出た当時、興味はあったのですが、『戦国ランス』で改造ツールを使わなければクリアできなかった苦い過去と、陣取りSLGを新規ブランドが作るというクオリティ面への不安で見送っていました。
かなり微妙なゲームバランス感覚が要求されるジャンルだけに、どこまで遊べるか、そもそもまともに遊べるのか、とか思ってました。
実際にやってみてですが、その辺は杞憂だったようです。

と言うのも本作、以下の流れを繰り返すだけなので、正直戦略的思考が介入する余地が薄いです。

①その時戦える相手を殲滅する
②大筋の話が進む
③新しい侵略先が解放される

以上を繰り返す一本道ストーリーなので、工夫の余地があまりございません。
ターン経過で相手が強くなったりも無く、戦力がしんどければ何もせずターンだけ回して収入を得て兵力の増強に勤しむだけです。
そして増強したユニットで相性的に有利な敵ユニットを殴るだけの作業。
ノリノリで侵略してたら他のところが宣戦布告してきて二正面作戦しんどいです、とかはありません。
ついでに言うと資源とかユニットコスト、開発とかの概念もありませんので、ちまちまリソースのやりくりに頭を悩ませる、とかも無いです。
主導権が常にこちらにあるので「戦略…?」ってなるわけですね。
硬派な戦略SLGファンはがっかりでしょうが、何も考えずにサクサク進められるこれはこれで、蹂躙プレイとして悪くないです。
ゲームっぽいゲームをしたいけど、そこまでガッツリやりたくはない、みたいなタイミングだと特に。

そんなサクサク系SLGパートとは裏腹に、イベントボリュームがエグいです。
そもそもヒロインの数がえげつないんですよ。
当時的には、英雄偉人の美少女化もジャンル的にいい加減そろそろ末期かな、なんて思ったものです。
今となっては、それがまさか序章に過ぎなかったなんて…、と自分の目の節穴具合を嘆くばかりですけれども。
……話が逸れました。
とにかくキャライベントが物量だけはやたら多く、SLGパートがサクサク進む分、相対的にいっそう冗長に感じます。
SLGパートで敵勢力を蹂躙している時間より、キャライベントポチポチ進めてる時間の方が圧倒的に長いです。
しかも何十人といるヒロインを短い時間でそれぞれキャラ立たせようとするためには、過剰に演出・印象付けをしなければならず、まあくどいくどい。
それだけやっても大半のキャラはほぼ掘り下げられずに終わるのですから、ホント物量作戦って悲惨です。
あ、でもエンキドゥの「エンキドゥ、知ってるぞ」は好きでした。
エンキドゥのイントネーションが好き。

『恋姫無双』とかも肌に合いませんでしたし、『真剣で私に恋しなさい!』なんかもキャラの印象付けが済んだ『S』以降でようやくキタキタって感じでした、個人的には。
とにかく、個々が勝手にリアクション披露、意思表明していくだけで、会話のキャッチボールが薄いシーンが嫌いなのです。
あるいはもう少しユニットの育成要素でもあれば愛着も湧いたかもしれません。
そういえば、装備枠が増えたところで装備するアイテムが足りないという片手落ちもありました。
絶対アイテムショップ的なヤツは準備しておくべきだったと思います。

キャラクターでいえば主人公もすごいですねこれ。
光属性だけあって、善性を煮詰めて捏ねて人の形にしたんだけど、貞操観念は添加するの忘れちゃった、みたいな。
大丈夫、ハーレム系主人公として君はそれで正しい。
歯の浮くようなセリフを真顔で連発して、免疫ゼロのヒロインたちが秒で落ちていく様は、さながら誘蛾灯のようでもあります。
ある意味、飛んで火にいる……ああ、だから光属性か。

大葦氏の原画は久しぶりです。
Littlewitchの頃より線と塗りがアニメっぽくなった印象あります。
ただ、相変わらず幼女嗜好強めで、あんまり趣味合いません。
少女漫画の主人公みたいな、いかにも「恋する女の子」的なのも苦手でして、物量出しても出してもヒットせず、残ったのはコロンブスだけでした。
喪服+タバコ+クールビューティーって素敵。
これでパンツモロだしのシュールさがすごい。
というか、なんで全ヒロインパンモロなんでしょうね?
突っ込んだら負けなヤツなんでしょうけれども。

とはいえ、なんやかんやでダラダラ最後まで楽しめました。
信長とコロンブスをぶっ放して敵を殲滅するのはとても気分が良いです。
見えている敵を侵略していけばOKなので、次やる事を見失わずに済むのも親切設計と言えなくもありません。
頭空っぽにしても惰性で遊べるSLGという、なかなか興味深い一本でした。

2019.09.08