英雄*戦姫GOLD 感想

英雄*戦姫』無印に引き続き、格安セール3000円パックの片割れです。
無印めっちゃ面白かったから引き続き、みたいなノリなら良かったのですが、不思議な義務感というか惰性というか、そんな雰囲気でのGOLDです。
『信長の野望』とかだったら完全版みたいな位置づけになるのでしょうか?
なんちゃってとはいえSLGっぽい部分があるせいで、無駄にそんな印象があります。

さて本作、基本的な流れは無印と同じです。
今度は仙台か……。
いきなり政宗公が出てきて、どうやら新ヒロインが追加されているようだと悟ります。
前回は卑弥呼がいきなりお兄様呼ばわりしてきて「うわぁ…」でしたが、今回は政宗の弟的存在になるようです。
妹と姉であれば、圧倒的に後者を選びたく思います。
政宗の、あわよくばファンコミュニティ内で「それがしだ!」流行らせたかった感が地味に好きです。
5年前に実際どうだったか確認するつもりはありませんが、おそらく空虚な空回りに終わったのだろうと思うとなおさら。

戦闘パートは若干の調整が入りました。
三蔵とコロンブスで殴ってぶっぱという従来の基本戦術(戦術?)を見直し、今回は後列ペリー、中列にチハヤ・コロンブス、前列はその場の気分で、という布陣に落ち着きました。
とにかくペリーで殲滅していくのが安定です。
バフやデバフ積むより殴った方が早い仕様なのは変わらずでした。

今回なんと、育成要素が整備されました。
無印は戦闘ボーナスでの兵力増員が毎回10名程度で実質あって無いようなものでしたが、今回は40~70名くらい一気に増員できるので、金にモノを言わせて9999名まで増員したあとも、戦闘を重ねることで戦力ガンガン増強できます。
また、1ターンに複数回戦闘がこなせるレベル上げダンジョン的なイベントも追加され、これも育成面ではかなり役に立ちます。
ただ、戦闘ごとに毎回キャラを戦場に配置していくのが地味に苦痛です。
キャラ数多いから探すの面倒臭い。
戦力ボーナスを享受できるのは当然戦闘参加メンバーのみなので、当然最大の6人を参加させます。
これを5回の戦闘で毎回繰り返すと合計30回もドロップ&ドラッグをするわけです。
しかもその30回を何セットも何セットも…、そりゃ嫌気もさしてきます。
キャラをお気に入りに登録しておけばリストの最上部にソートされる機能を付ける気遣いが出来るなら、キャラ配置も登録できるようにしてほしかったところです。
ちなみに、無印の時に指摘していた装備品問題はある程度解消されました。
やっぱりアイテム屋、普通に考えて要りますよね。

そして問題のキャラ個別イベント。
本作、基本的な素材を無印からガッツリ流用しておりまして、特に立ち絵系の素材はかなりローコストで済んでいるのではと思われます。
それはそれでまったく構わないのです。
浮いたリソースでゲームが面白くなっているのであれば。
…その分のリソースが丸々すべてイベントにぶち込まれた、そんな印象です。
無印のときでさえイベント多すぎと感じていたのに、それが倍増(体感ではそれ以上)したらどうなるか。
毒にも薬にもならぬ、ひたすらに平坦なショートイベントの山。
とても辛かった。
何時間でも平気できらら系の4コマを読める人にとっては楽園なのかもしれませんが、私にとってはただただ苦行でした。
そのくせ未読スキップや放置はなんか嫌という、変なところで顔を出すA型の性が苦行に拍車をかける始末。
それにどうでもいいキャラだからとイベント放置できない理由もありまして、あるキャラのイベント進行度が他のキャラのイベント解放に連動してたりするのです。
何故か主力キャラのイベントが進まないと思ったら……、みたいな事態が発生してホントしんどい。
幼女体型幼女メンタルなキャラ偏重傾向なのは前回から引き続き、というか新キャラ以外は流用なので必然です。
とにかく趣味が、合わぬ……!

個別イベントによる数の暴力は本筋のストーリーにも影響ありありです。
『名探偵コナン』の単発の事件回と黒の組織回みたいな割合を想像してください。
本作の本筋ストーリーと個別イベントの割合はそんなもんです。
もうね、全然進まないから何やってるのかわかんねえわけです。
当然、個別イベントに本筋の伏線とかあったりもしません。
無印の時も、敵勢力を侵略したあとのイベントの数が後半に行くにつれて暴力的、なんて書きましたがまったく改善は無く、というか改善点という認識ではないんでしょうね。
恐らくそういうのが好きなユーザー向けに作っているので、天狐的には私の感覚の方が間違っているのだと思います。
そのくせ、本筋の話はうっすいんですこれがまた。
ぽっと出のラスボスがぱっと消えていきます。
もっと自己主張していいんだぜ?
あと前回はイルミナティで今回はテンプル騎士団と、ラングドンシリーズ大好きかよとツッコんどきます、一応。

本作唯一の良心はやはりコロンブスです。
あの喪服パンもろクールビューティーだけが救い。
だから侵略の初手がアメリカだったのはどこまでもグッジョブでした。
ペリーもここで加入だったので、最初から最後まで延々後列からブッパしてたわけですね彼女は。
あのうざいルー語が無ければねぇ……。
個人的にコロンブスの次点に来るハンムラビが、今回も終盤にしか加入しないのはひたすらに残念でした。

ということで、相性が悪かったのでしょう。
当サイトは幼女とヤマなしオチなしの日常系お断りなのです。
どっちも揃っちゃってました。
戦闘面や育成でほぼ希望通りの改善があっただけに残念で仕方ありません。
ちゃっかり周回要素まで搭載してますもんね。
無双プレイしたいんだけど、なんだかなあ……。

前作の良い点も悪い点もパワーアップさせて、やや悪い方が勝っちゃったかな? みたいな印象です。
非常にもったいない一本でした。

2019.10.29