イブニクル2 感想

正味な話、前作『イブニクル』の記憶がもはやほとんど無いという状態です。
感想書いてるとこういう時に昔を思い返せて良いな、なんて思いましたが、読み返してみても特に内容が思い出せるわけではないという罠。
感想の書き方考え直そうかしら、なんて今更な。

さて本作、前作を綺麗さっぱり忘れているとはいえ、前作をやっていないと通じない、理解できない個所というのもほとんどなく、せいぜいがラミアス・QD・アーサーといったキャラくらいでしょうか。
一応世界観も継承していますが、本作は本作のローカルルールで動いてますし、必要な部分には説明があるので、まあ知らなくても問題ない範囲です。

QD(クゥ)は『どらぺこ!』が初出ですから、よーいちろー氏は今後も自身のタイトルには出し続けるおつもりなのでしょうか? 自分で出演してロリコンネタイベントぶち込むよりナンボかマシですけれども。
アーサーとトオルの関係は是非詳しく知りたいです。
前作プレイ前に『どらぺこっ!』やってれば同じこと思ったでしょう。
女らしくないと気にしておられましたが、ついにちんちん生えてしまったのか……。

それはそれとして、一応はコンプしたタイトルなのに、3~4年程度で綺麗さっぱり内容が一つも思い出せないってのはさすがにどうかと思います。
他のタイトルならそれなりに、なんとなく覚えているものです。
あんなキャラクターいたなあとか、こんな雰囲気のイベントあったなあとか。
それが前作『イブニクル』には全くない。
3Dでシームレスのワールドマップはすげえなと、なんとなくシステム頑張ってたくらいの記憶はありますが、内容はさっぱり。
さらに怖いのが、本作をプレイしていても、ちょっと談話とか嫁イベントを見てると次何するのか分からなくなる現象がしばしば発生する事。
つい直前のイベントがさっぱり思い出せない。
アリス側で何か細工しているのか、私の脳の働きが残念なのか理由はわかりませんが、驚くほど記憶に残らない。
プレイ中ですら残らない。
画面放置してるとヒントが出るあの機能が無ければ確実に詰んでます。
平グモちゃん』みたいな年表モードあったら助かったかもしれません。

ピュロス将軍倒すあたりまでそんな感じで進行しました。
ピュロス以降はなんとなくこんな事あったなあくらいには思い出せます、まだ。
この辺から章末のボスがいきなり硬くなるので印象深いです(前作はラスボス以外ゴリ押しでいけるって書いてありました)。
これがまた、レベリングでどうこうなる硬さではないので厄介です。
レベルゴリ押しパワープレイもやってできない事はないと思いますが、現実的ではありません。
レベル上げるとフィールドでのエンカウント率下がりますし、レベルアップに必要な経験値はアホみたいに高くなりますし、それでいてそんな極端にはパラメーター伸びませんし。
これは多分、弱点属性を突き、デバフをかけ、ピヨらせて相手のターン飛ばすってのが正道です。
レベリングについては、普通に英雄病治すくらいにマップうろうろしてれば適正値になってそうです。
この辺はナイス調整。

で、ピュロスが消え際にイシュタム関連のネタ振りしたあたりからがまた不思議で、相変わらず今何しなければいけないのかはさっぱり入ってこないのに、世界観の情報はスルスル入ってくるんです。
ホント不思議。
特にイシュタムのアジトのワクワク感は『うたわれるもの』の終盤で研究所に突入した時のそれに近いです。
表で語られている歴史とは真逆の真実が明らかになるとか最高じゃないですか。
しかもその説明をさらに裏切ってくるとかホント素敵。
6章の時点でマップが全部埋まらないあたりで、エピデ倒してもまだなんかあるんだろうなってのは分かってましたけど、ジョン……まさか貴様か。

後半進むにつれて内容が頭に入っていくのは、伏線盛々だったせいもあるかと思います。
ああ、そういえばそういうのあったね、ってパターンが多いので、伏線というよりは『ONE PIECE』的な一度出した物の再利用、みたいな手法との認識が正しいかもしれません。
これがマップと連動しているので、一回通ったらあとはもう出番無しよ、というエリアが無くなっているのは良いです。
英雄病撲滅のための食材集めやサブイベント、百景と合わせ、本作のセールスポイントであるシームレスのワールドマップを使い倒すよう上手く仕掛けていると感じました。
これで向こうしばらくは、本作のマップも覚えていられそうです。

今回開発チームに相当なダジャレ職人がいるんじゃないかと疑っております。
でなければあれだけの英雄病は作れません。
英雄病一種類につき、名前+症状+治療食材の3点セットですから、これは非常にしんどい。
想像するだけでしんどい。
これのせいで延期しましたって言われても驚かないレベル。
絶対自分で自分の首絞めてますよね。
この手のネタ絞り出すのはマジで地獄ですもの。
でも屈殺炎の治療食材がオークの木、みたいなしょうもないけど個人的に結構好きなのもあるので、一口にやらなきゃいいのに、とも言い難いという。

一方で、地名の方は中途半端な感があります。
三侯爵がハイライン・アシモフ・クラークなのはなるほどとなりましたが(個人的にはディックも入れたい)、各領地内の地名については雑というか捻りがないというか。
しかもアジモフと王都は色って切り口で被ってますし。
王都の「色+図形」で「もしやプレステ!?」とコントローラーを確認したのは私だけではないはず。
あと蔵握のゴウ・ノグチ・サイジョーが御三家ですが、SF御三家出しといてこっちの御三家も出すとか被ってますやんっていう。
ネーミングについてはもっとこう、適当でいい加減そうに見えて、絶妙に荒唐無稽で大胆なアリスが好きです。

とはいえ、なんやかんやで遊ばせられた印象です。
ちょいちょい記憶を失いながらも、結局最後までプレイしてしまいました。
あと、地味に2019年暫定トップヒロイン来ました。
そう、シャロです。
褐色おっぱいメガネであの性格はドストライクです。
一歩間違えたらガサツってくらいがちょうどいいんです。
それでかつ姐御肌とかもうね、やってくれたなよーいちろーって感じ。
よーいちろー氏のキャラデザかどうかは知りませんけれども。
終盤は、裸の王様を常時装備させておりましたので、立ち絵で登場するだけで幸せでした。
あのポーズがいいよね!
個人的にハーレム願望は全く無いので、嫁が増えていってもあまり嬉しくはありませんでした。
その辺は前作と同じです。
違うのは、一度嫁にしたらフェードアウトしてお家待機にはならないという点。
嫁になった後もしっかり話に絡んできます。
マップの使い方と同じく、しっかり改善されております。

先述の通り、ボス級との戦闘ではわりと悩むことがあります。
大体はスキルセッティングで何とかなりますが、場合によっては英雄病撲滅ボーナスの振り方如何で大分苦労するケースもあるかもしれません。
私は連撃に振りすぎて後悔しました。
中盤あたりまではゴリ押しで進める気満々だったので。
4~5章あたりで最初からやり直すか? みたいな事も考えました。
ただ、それをやるにはいろいろ面倒過ぎました。
特にフィールドエンカウントの処理にかかる時間が地味に致命的です。
高速化してもまだ遅く、攻撃モーションOFFがあっていいくらいです。
多少戦闘効率が落ちても構わないので、ダメージ受ける版の「雑魚殲滅」みたいな、戦闘フルオートでやった結果だけ表示してくれる機能があればどれ程楽が出来た事か。
フィールド散策していたら突然GAME OVERとか、それはそれで悲劇が起こりそうではありますが。

ちなみに現時点では、ラスボスまでは撃破しておりますが、大怪獣はコンプしてません。
正直かなり面倒くさいので、投げる可能性高しです。
ラスボス後に前作主人公(アスタリスク君というらしいが、全く覚えていない)が唐突に登場し、なんか世界を渡るやたらスケールのでかい話になりかけたところで、私の中でもう完結してしまったのも大きいです。
あそこからラスボス前にロードしてやり込み要素潰していくのは嫌。
そういうテンションにはなれませんでした。

総括すると、前作の反省点をしっかり改善した理想的に近いナンバリングタイトルなのではないかと思います。
ナンバリングは2が良いとか3でこけるとか、諸説ありますけれど、ランスシリーズ亡き後のアリスにとって、何らかの柱になってほしいなあという一本でした。

2019.03.25