あけいろ怪奇譚 感想

シルキーズプラス買いです。
聞いてみれば『ななりろリンカネーション』と共通の世界観との事で、半分くらいFDな気持ちで望みました。

根雪の幻影』に続き、フローチャート搭載がありがたかったです。
特に今回はフラグ管理が若干面倒になっているので、視覚的に現在地が確認できるのは便利です。
シーンジャンプも搭載しており、いつでも好きなシーンに跳べるため、セーブ枠がかなりすっきりします。
ただし、そのシーンに至るまでのフラグ調整は出来ないので、攻略用には向きません。
あくまでクリア後にもう一度特定箇所から再開したい用途向けです。
例えば個別ルートのみやりたい、とか。
ちなみにフラグ管理を適当にやると狙ったルートに入れません。
入ったとしても過不足があるとバッドエンドばかりになります。
久しぶりに分岐メモ作りました。

加賀見家の面々が勢揃いだったのは嬉しい限り。
葵と伊与が相変わらずキレッキレです。
真くんも大分達観したというか、大人になったというか。
状況を鑑みるに、コトリENDのアフターでしょうか。
まあ妥当でしょうね。
前作のメインヒロイン陣を登場はさせなかった点については、あくまでサービスの範疇であり本作は本作、という線引きが感じられて好印象です。

ED曲が非常に良いです。
最初は特に気にしていなかったのですが、聞けば聞くほど良くなっていくあたり、エンディングクレジット初回スキップ不可をこの狙いでやっているなら完全にしてやられたといったところです。
特典で音源CDつけるのも納得です。

ななりろリンカネーション』の笑えるテキストも顕在です。
さすがに変態Mおじさんクラスの場外ホームランはありませんでしたが、全体的に満遍なく散りばめられているので総合的には上回っていると思います。
これには登場頻度の高い修司と佳奈ちゃんの寄与するところが大きく、特に佳奈ちゃんは会話のノリが完全に男子高校生ですので、確実に心にチンコを生やしているものと思われます。
こういう娘大好きです。
修司についても、そもそも笑い前提みたいポジションがあることを差し引いても、十分以上の働きでしょう。
一方で本筋のシナリオの方も、かなり力が入っています。
基本的には朱子の怨霊にまつわる事件を解決する事が目的になりますが、個別のルート毎に上手く事件と向き合っていると感じました。
そのあたりは『ななりろリンカネーション』同様です。
ルートによってはスッキリ事件解決とはいきませんが、話自体はスッキリ終わらせてくれるので特に気にはなりません。
事件自体については、全ヒロインクリア後に大団円ルートが開放されますのでそちらでご確認を。
いよいよ事件の全貌が明らかした上で非常に綺麗にまとめあげてくれます。
このスッキリ感、後味の良さは秀逸の一言に尽きます。
ラストの一枚絵もタイトルの通り、夕刻あけいろの一枚絵でビシッと締めてくれました。

良い意味で処女作にあるまじき出来の前作を、総合力でさらに上回っていった、続編とスピンオフとFDの魅力を足しっぱなしにしたような一本でした。


2016.05.09