なないろリンカネーション 感想

なんか普通の萌え系っぽいけど、シルキーズだし学園モノじゃ無さそうだし、じゃあ問題ないかななんて予約してみたんですけれど、よくよく見たらシルキーズとは別会社みたいですね。ブランドごと独立してやがるみたいです。釈然としないものはありましたが、案外こういう買い方したタイトルほど予想外の当たりだったりするから不思議です。

一応ブランド的には処女作になりますが、そこはさすがに実績十分の製作陣だけあって安定感ある仕上がりです。パロディーネタに頼らず笑いを作り出せる日常の描写には地力を感じます。ほとんど伊予と葵のテンションでぶっ飛ばしてるだけな感もありますが、それを取り込んでしっかり会話のキャッチボールを成立させているあたり上手いです。エロシーンも同様に、ちゃんと会話をさせているおかげでヒロインのセルフ実況中継とならずに済んでいます。

シナリオは良くも悪くも琴莉中心です。琴莉ルートについては不覚にもウルッと来てしまいました。しかしながら、他ヒロインルートでもかなり強い自己主張しますので、全体の半分くらい琴莉ルートみたいな印象があります。実際、他ヒロインのENDにもがっつり絡んできますし。琴莉ルート、琴莉+他ヒロインルート、と割り切れるかどうかが鍵だと思います。鬼たちを攻略対象からバッサリ切ったのは英断でした。ヒロインごとに事件の犯人を追い詰める方法変えてるだけでシナリオの大筋は一緒ですから、鬼たちの個別ルートも作ろうと思ったら7パターン。多分グダグダです。無理矢理作るとして鬼達ハーレムENDが精々でしょうが、しかしそれにしたって、他のENDが綺麗にまとまってるだけに、「俺は無条件に自分を慕ってくれる鬼達と生きていくぜ!」なんて事したら台無しになりそうな気がします。

パッケージにある「泣いて笑って」は嘘偽り無く、自分でハードル上げてしっかり跳び越えていくというカッコいい事してくれています。特に変態Mおじさんのくだりは本当に腹抱えて笑いましたし、琴莉END「リンカネーション」も恥ずかしながら思わずホロッときてしまいました。泣いて笑えるに留まらず、『シックスセンス』ばりの(というかそのもの?)伏線張ってたり、警察と連携してサスペンスしてみたり、猟奇殺人でグロめな一枚画出してみたり、互いに足引っ張り合わない程度に上手く詰め込んでいます。処女作ですが、そんな気配を全く感じさせない貫禄の一本でした。