Little Little Election

今まで食わず嫌いしていた『屋上の百合霊さん』がとてもよかったので、じゃあこれもと紐解きました。
幼女ですよ幼女、しかも今だと完全に規制に引っかかって審査通らない低頭身のやつ。
興味ない新しい世界の扉を、あろうことかライアーソフトで開こうとする自分が好き。
まあ、今まで何度やっても開く気配がないどころか、そもそも開く構造になってるのかどうか、扉なのかどうかも怪しいやつなんですけれど。


ELECTION:選挙

さて本作、もうタイトルがね……。
私くらい脳が腐ってると、ELECTIONなんて見るともう「え、エレクチオン…?」と、小池一夫的な連想してしまうのです。
ただ、勃起の方のエレクチオンは綴りがERECTIONだという……。
こんなんぱっと見間違えるにきまってるじゃん!
「ようじょ、ようじょ……勃起!」みたいなタイトルだと、かなりの段階まで読み間違えてました。
もう、おバカ!

しかもメインライターは我らが天野氏なんですよ。
そりゃそういう勘違いしても仕方ないです。
絶対何か理解できないところを狙ってますもん、やつはいつも。
こっちもそれを求めているわけですし。


幼女

あまりにも強烈に幼女です。
事前にわかっていたことですが、こちらの心の準備を粉砕するくらいには幼女でした。
見た目も幼女、設定も幼女、弥生あたりは言動まで幼女。
舌足らずな松永雪希は貴重品、ただしパートボイス。
幼女出したいから幼女出したんですってレベルで申し開きの余地を捨て去ってて、これはこれですごいです。
残念ながら、『百合霊さん』のように新しい世界の扉が開くことはありませんでしたが…。


いつもの残念なやつ

ライアーソフトお約束の残念なゲームパートです。
期待していた通り、遊びとしてのクオリティがとても低い。
票を取るだけならほぼ脳死で勝てます。
そこで終わっていればいいものを、ゲームパートで回収するイベントがまあ面倒くさい。
え、全陣営で後援団体総当たりするの? っていう絶望感が強烈でした。
ごめんなさい、こっちのコンプは早々に諦めました。

どんだけこの後援団体イベントにリソース振ってるのか知りませんが、本筋ストーリーだけどとすげえあっさり終わりやがります。
天野シナリオにそこまでのカタルシスは求めていませんが、それ差し引いてもねえ…?
後援団体イベントを売りにしていたならかなり残念です。
でもまあそういうのって、登場ヒロインが刺さってるからこそ楽しいやつなわけで、これだけ守備範囲外されるとちょっと難しそう…。
幼女すぎてヒロインをヒロインと認識できません。
趣味がかみ合わないとよく起こりがちな事故です。


天野節

後世に受け継がれる天野テイストが散見されて素晴らしい。
この人はこの頃からこんなアホなことやってたのか。
とはいえ、天野氏はこの翌年が『ANGEL BULLET』ですから、そう考えるとそこまで時代遡るわけでもないんですね。
細かすぎて伝わらないネタの切れ味はまあ健在だとして、『姫巫女銀河』に至るまでネタの根っこ的な部分がブレてないのは、逆にこの人大丈夫なんだろうかと心配になります。
まあ、大丈夫じゃないからこんなの作ってるのでしょうが。

天野氏の仕事については、本作以前のものはDL版が出されておらず、パッケ版を探す必要があります。
今となっては私もDL版教徒ですので「DL版が存在しないゲームはこの世に存在しないゲーム」くらいに割り切って生きておりますが、ことライアーソフトタイトルについては昔集めたやつがまだ残っていたりします。
つまり、氏の仕事である『ピンク・パンツァー』と『ラブ・ネゴシエイター』も遊ぼうと思えば遊べるんですよ、Windows10で動くのなら、ですが。
なお、ライアーソフト好き好き言ってて、そのあたり放置してる私の度し難い中途半端さには目を向けないこととします。


おわりに

ライアーソフトタイトルで一番縁遠いだろうなと思っていたやつを紐解いてしまい、食わず嫌いが必ずしも失敗というわけではなく、人間の直感というか経験則的なやつは正しいケースもあるのだなと痛感しました。
『百合霊さん』みたいなのが例外的なのであって、手を出さないのにはそれなりの理由があるということです。
私が幼女を理解する日はまだまだ遠そうだと確信する一本でした。


2022.05.08