ガチゆるヒーローバトル 姫巫女銀河 感想

今のところLiar-soft最後のバカゲーです。
だからこそ、やらずに今まで大事に取っていた、とかではなく単純に忘れてました。
そういえばこれ途中で投げっぱなしだったわという、多分そういうのがあと何十本かあるはず。
私もいい加減、情熱不足なのです。


さすがの天野企画クオリティ

さて本作。
もうね、ひっどい(褒め言葉)。
荒唐無稽な設定には突っ込むのを早々に諦めましたし、登場人物がことごとくクズいのもポイント高いです。
あっしーが明らかにゲスそうなキュゥべえ的マスコットと見せかけて、一番常識的な突っ込みポジションっていうカオスぶりは、歴代天野氏タイトルの中でも屈指かもしれません。
登場人物が少ないので、突っ込み役が足りてないんですよね……。
砂倉博士なんてもう立ち絵の目がイっちゃってるのがジワジワきます。
文系サイエンティストは地味にパワーワードですし、『水スぺ』の時といい、天野氏は大学の文系学部に何か恨みでもあるのでしょうか?

独自路線すぎるパロネタも際立ってます、相変わらず。
いや、パロネタというかなんというか。
「ジョジョw」とか言ってキャッキャしてるキッズの列をブルドーザーで突っ切っていくような、そういうパワープレイ的な何かです。
前からいかにもパロやってます感出す伏字とかしないスタイルでしたが、今回はチリ人妻アニータとか平然とぶっこんできたり、陸奥五郎はさすがに攻めすぎですし、強烈。
次点で電波父さん、これは腹抱えて笑いました。
基本的にブラックなネタに弱いのです。

天野氏の他にサブライター4人が動員されていますが、彼らはどんな感じで制作指示受けてるんでしょうね?
「NGなしだからガンガンぶっこめ!」みたいなこと言われるんでしょうか?
それとも全ネタ天野氏監修?
そんなにテキスト量が多いわけでもないので、どう分担してどう天野氏的なひっどいのぶち込んだのか、気になります。


いつもの謎ゲームパート

そうそうこれです、このゲーム…? みたいなパート。
ただ勝つだけじゃ突破できないのと、戦闘前のスポンサーとのやり取りからやり直さないとシーン回収できないのと、絶妙に面倒くさくて堪りません。
というか、特殊コマンド全部消化できるかどうかですね、結局。

そういえば、昔投げたのはこのゲームパートにぶち当たってだった記憶が蘇ってきました。
一回負けて「あ、これ面倒くせえやつだ…」のまま放置してたようです。
せっかく北海道各地を巡ってご当地ディスりまくるなら、『新・北海道4000km』みたいなゲーム感も良かったかもしれませんが、この開発規模を考えると完全に予算オーバーですよね……。
しかし天野氏、北海道に何か恨みでもあったのでしょうか?


ライアーソフト新時代……か?

まあそんなことはないのですが。
期待したのは、サブライターの海原望氏、禾刀郷氏両名への天野マインド注入だったのですが、その後の動きを見るに完全に別方向にいってしまったようですね。
せめて、いいじゃんやっちゃえやっちゃえ的精神だけでも受け継いでもらえたら嬉しいなあ。
あとけーこちゃん。


おわりに

こういう「なんでこんなの作ったんだ…」というライアーソフト、大好きです。
最近はスチパン路線というか、かつての星空めてお路線というか、なんかそういうブランドになってきてますよねライアーソフト。
それはそれで悪くないのですが、こういうわけわからないのが恋しいのも確かです。
めておもバカゲー作ってたわけですし。

あとはタイミングがもう少しあれなら、何かの奇跡で『ゴールデンカムイ』に本作が悪ノリできた未来もあったかもしれません。
アシリパさんを極限まで残念にすればカムイッコたんに、いや案外いい勝負か…?
これの半年くらいあとだったんですよね、『ゴールデンカムイ』。
あっちの方がやべえキャラ多いからなあ……。

こういうどうしようもないライアーソフトにまた会える日が来るはずと信じたい一本でした。


2021.11.27