ランス10 -決戦- 感想

1ヶ月半程がっつりプレイしてなんとかクリアしました。ランスのラストを見届けてやったという達成感と、もう新しいランスはないという喪失感が上手い具合に相殺されて、表面上は平静を保っているものの心情的には大荒れに荒れています。綱引きの綱みたいな気分。ランスロス?なんでもかんでも「○○ロス」で片付けるのはどうかと思いますが、物寂しさに襲われているのは確かです。

面白いゲームとそうでないゲームを分けるポイントとして、大きなウェイトを占めるのはやはりゲームバランスだと思います。アリスはその辺抜群です。シンプルなゲームでもバランスが良いと妙にのめり込んでしまうあの現象、例えば『巣作りドラゴン』なんかは顕著でした。しかしそれをこれだけのボリュームある内容で、しかも周回前提で調整するというのは相当な綱渡りだったのではないでしょうか。おかげでどっぷりハマり、業務を放ったらかし睡眠時間を削り、荒れた生活で寿命まで削った気がしていますが、後悔はありません。

ゲーム自体は、実のところ半分くらい苦行です。だって難しいんだもん。強いんですよ魔人が。普通にやると勝てる気がしません。にもかかわらず、勝った場合のルートも用意されているのには不条理さえ感じます。で、いくつかエンディングに辿り着いて貯めたCP使うとしっかり勝てるように作られている。ホントとんでも無いゲームです。ご褒美が見えていると苦行が苦しくなくなります。むしろご褒美を手に入れた時の達成感を高めるスパイスにさえなります。それにいくら難しいといっても、結局改造して何とか無理やりエンディングを見た『戦国ランス』に比べればまだマシなレベルです私的には。(だから当サイトに『戦国ランス』の感想は載せられないのです)

ランスシリーズのヒロイン達って元々独特の魅力がありますけれども、戦闘ユニットとして使うという行為がそれを深めてるんじゃねえかなあとしみじみ感じます。愛着というか思い入れというか。同じヒロインをADV形式のゲームで初見だったら多分ここまで魅力感じていないのではないでしょうか。シリーズで好きなヒロインを列挙すると、間違いなく使用頻度と相関関係が出来上がるはずです。シリーズごとに好きなヒロインが変わるのはきっとそのせい。

本作の変態的な所たくさんありますが、そのうちの一つが異常な立ち絵の充実具合です。登場キャラ何人でそれぞれ何パターン立ち絵あるのよと。しかもそれをどこまでも贅沢に使うから怖いです。例えばクリームの口をへの字に歪めて赤面する表情。多分片手で数えられるくらいしか使ってませんけど。ウルザの困り顔も同様。ボイス以外のリソースは普通にフルプライス3本くらい作れるコストぶち込んでるんじゃないですか?これで03みたいにボイスがついていたらと思うと恐ろしい。

第2部はホント想定外で、そうですかそういうサプライズ仕込んできますか、と。Aクリアなのにシィルなんで殺したぁ!ってなりまして、あまりのショックに攻略Wikiを見てしまったのです。そこからはもう下り坂を転げ落ちるが如しで、荒れた生活が一層荒れる日々でした。第2部のバランス感覚は更に秀逸で、だからこそやめられない止まらないな危険ドラッグじみた中毒性と多幸感があります。無理っぽい戦闘でもしっかり工夫すれば勝てるようになってます。むしろこのシステム的には第1部の序盤がこういうチュートリアルであって然るべきなのでは?ブロックとかバフとか行動阻害とか、第1部でも使うには使いましたが、第2部の方が頭使って一生懸命戦略考えてた気がします。まあその分、第2部は2周目以降の難易度が崩壊してますけど、簡単な方に。

しかし第2部で主人公を替えた意図っていうのはどこにあったんでしょうね。確かに魔王化したランス君視点で進めても話が展開できませんし、シィルの実は……が成立しませんし。でもそんな小手先の、設定やストーリーの展開次第でどうとでもなるレベルの話ではない気がするんです。例えばラストのクルックー、女神ALICEとルドラサウムのやり取り。これなんか素直に受け取れば創造神=ユーザーって話で、ランスワールドはユーザーの遊び場であり続けるという意思表示に取れます。主人公がしゃべらないのも昔のドラクエ式、ユーザー=主人公っていうあのお約束と取れないでもありません。しかしそうなると、ルドラサウムの次の遊びは?エンディングテロップで100歳くらいのランス君が暴れていましたが、人類にとって平穏な日々っていうのは、すなわちルドラサウムにとってクソ詰まらない展開なわけで、それはクルックーのセリフと矛盾します。なんらかスッキリ腑に落ちる図式があるはずなんですが、私の両生類の糞便が如き矮小な脳ではどうしても思いつかず。なんか考えた人、いらっしゃったら教えてくんなまし。

よくよく考えれば大学の友達よりもランス君の方が付き合い長いんですよね。ロスるのも仕方ありません。と言いつつも、これ書いてるうちになんとなく気持ちの整理もついてきました。
世の中を見回して、綺麗な最後を迎えることの出来たシリーズ物が果たしてどれだけあったことか。人気が落ちて知らぬ間に消えていった物、打ち切られた物、だんだんリリース周期が長くなり最新作が出なくなって自然消滅的に消えていった物、製作母体が消滅した物。いったいどれだけの消費者が涙したことか。それを考えれば、これだけ綺麗に終わりを迎えることが出来た本シリーズは、そしてそれをユーザーとして楽しめたというのはとても幸せなことなのかもしれません。
これまでの登場キャラを総出演させつつ広げに広げた風呂敷を見事に畳みきり、かといってユーザーに媚びて簡単にクリアできるぬるゲーにはしないという、有終の美を飾るに相応しいクオリティの一本でした。

追記:『鬼畜王』のリメイクとかはあっても良いんじゃないかなあ!!

2018.05.21