川のヌキ釣り ~滝つぼの天女~

ぬし釣りファンとして大変感銘を受けた『海と川のヌキ釣り』のあと、そのままの勢いでDLsiteに特攻しました。
旧作の同人ゲームなんて半額が定価くらいに思っていますが、500円なら定価でもまあよかろうと。
その直後のGWセールであっさり半額になってたのはさすがに苦笑いでしたが。


作ってる人の熱意すごい

さて本作、遊ぶ順序は逆になりましたが、特に違和感もなく遊びことができました。
そういえば原作シリーズも『川のぬし釣り』から始まっていました。
これはそう、きっと原作リスペクト。

本作の時点で十分ぬし釣り感モリモリです。
マーベラスがご乱心で密かにアダルト進出を検討していた頃に産み落とされた忌み子がごとき幻のβ版、とか言われたら信じてしまう可能性があります。
ただこのサークルすごいのが、この時点でそれくらい完成されていたものを『海と川の~』でさらにブラッシュアップしている点です。
娘魚を釣り上げた直後の演出カットとか、難易度変更、使用する道具の変更に釣りバトルの演出変更、かなり手を入れています。
遊びのとっつきやすさやストレス軽減に真摯に向き合ってて感動です。

釣りバトルに関してはどちらが良いと一概に言いにくいところがあります。
本作は釣りっぽさを重視してますし、『海と川の~』はゲームとしての遊びやすさに寄ってる印象です。
これは古今東西数多の釣りゲーが開発されてきた中で、いまだ答えを見ぬ問題でもあります。
原作シリーズですら実際の釣り体験の再現をしているわけでなく、釣りっぽい行為をゲームという媒体に落とし込んでるだけだったりしますし。
まあ、それ言ったらゲーム全般そうなってしまいますが。


500円とかいう狂気の沙汰

一つのマップに余すことなくイベントを詰め込んで、リソースの無駄使いが少ないです。
上流の方行くとそうでもないですが、人里離れてる感出てますし、オブジェクトもないけどイベントもないですし…。
基本は中流くらいのエリアで完結しますし。

本作もやっぱり娘魚の数とエロシーン、素材物量が頭おかしいことになっています。
そして冒頭触れた通り、それを500円で売ってるのが一番頭おかしいポイントでしょう。
今日時点で11,000本以上売れてますが、それでも550万円、DLsiteの取り分やセール時の販売分もあるでしょうから、実際に開発者の手元に残るのはいくらくらい? と考えると、1万本以上売ってなお元が取れているとは思えません。
それやっちゃうのが同人といえばそうですけど、昨今流行りのSDGs的にどうなん? という。

もちろんユーザー的には、面白いものを安く遊べるなら万々歳ですが、それでクリエイターが「もうやってらんねえ!」と足を洗ってしまうのも本意ではありません。
面白いもの作れる人は面白いものを作り続けてほしいです。
そういう意味では非常に不安な価格設定です。
その点『海と川の~』はそれなりの金額設定(それでも安いけど)なので、ある意味納得感あります。


おわりに

十分遊べました。
ただ本当に申し訳ないのですが、このサークルの別作品に手を出すかというとちょっとそれはなさそうでして…。
あくまでぬし釣りだからやったのであって、やっぱりRPGツクール自体は好きになれません。
本シリーズが好きなのは間違いありませんが、それはそれ、これはこれです。
なのでなにとぞ、本シリーズの続編、何のヌキ釣りになるかは分かりませんが、お願いしたいと切に願う一本でした。


2022.05.10