愛姉妹Ⅳ~悔しくて気持ち良かったなんて言えない~ 感想

ほぼ惰性で購入です。
いつも買いに行くお店に、連絡しなくても勝手に予約されてるレベルです。
……まあ、さすがに連絡はしましたけれども。

いろいろ言いたいことはありますが、結局は以下に集約されます。
愛美最高です。
徹頭徹尾完膚なきまでにドストライクが来ました。
日本語的に多分間違っていますが、勢いだけ感じていただければOKです。
この琴線にビンビン響く感覚、最近あまり無かったように思います。
体は女、中身は男っていうのが私の理想なのですが、…いやホモ違いますて。
ロリ巨乳みたいな、相反すると思われるモノを一つにまとめてみたら、案外これいけるんじゃないの?っていうあれです。
言動的に、愛美のキャラというか発想というか、考え方が非常に男性的でして、まさにそれでした。 ただし、中身は男というのが実に曲者で、バランスを間違えたり演出が過剰になったりすると一気に醒めてしまいます。
そこはもう描写の妙としか言いようがなく、属性を羅列するだけでは辿り着けない境地であります。
突き詰めて純化させた属性って没個性と背中合わせです。
だってそのキャラクターを属性の羅列で表現できてしまうなら、物語なんて不要じゃありませんか。
物語の中で生まれる、属性で表現しきれない雑味こそが旨みなのです。
そして私の味覚的には、愛美がとてもとても美味しく感じられたわけです。

主人公が容姿ダメ、運動ダメ、頭脳ダメのド底辺クズ野郎とのことでしたが、なかなかどうして本人が言うほど頭は悪くないようです。
藤村家女性陣の価値観が多少アレなのを差し引いても、その場しのぎの口車はなかなかのモノがあります。
エロが絡むと男は時として実力以上のモノを出しますが、彼もそのクチでしょうか。
確かに、匂い、おしっこ、妊娠等々への並々ならぬ執着を見せておりました。
おかげで本作、ヒロインの体臭や女性器の匂いについて臭いと評価をするという結構珍しいことをサラッとやってのけています。
実際臭いものをこの業界、オブラートに包みすぎておりました。
本作はエロゲー界のコペルニクスです。
……アホな話はこれくらいにして、彼の無限の性欲のおかげでエロシーンはかなり実用的な仕上がりになっています。
市川氏の画独特の艶かしさ、主人公の変態的発想が素敵な出会いを果たしています。
同じシーンに多少の差分、というパターンが多いですが、差分以外はスキップできるのでそこまでイライラ感もありません。

また、真面目にアホなことやってるシーンが妙に笑えます。
すごく真剣にズレた事言い出すんですこの人たち。
上流家庭なふりして藤村家結構頭おかしいです。
娘の父親不信の原因が両親の赤ちゃんプレイとか最高でした。
この才能は貴重だなと思いライターを確認しましたが、どうやら『女系家族3』と同じ方のようです。
ライター買いリストが増えました。

おまけコーナーで「ファンディスクは多分出ないので、藤村姉妹とはこれまで」という旨の発言がありましたが、正直欲しい気持ちでいっぱいです。
『媚肉の香り』も、続編というかスピンオフというか、展開があったわけですから、本作も可能性まだあると勝手に信じています。
それくらい、愛美に夢中な一本でした。