女系家族Ⅲ~秘密HIMITSU卑蜜~ 感想

どうも購入動機の薄い買い物が多い今日この頃です。衝動買いに近いものがありますが、本作の場合完全になんとなくです。情報がオープンになって、公式サイトを見た瞬間にはもう買おうと決めている、そういう類の作品でした。直感とも言います。

復讐劇ということで、もっとドロドロしたのを想像してましたが、思っていたよりはあっさりしていました。主人公の少し抜けたところも相まり、雰囲気が暗くなりすぎません。かと言って、話の本筋が薄っぺらくなるかというとそういうこともなく、なかなかいいところでバランスが取れています。復讐についても、なんやかんやでグダグダになりつつも、最後は力でゴリ押しみたいな流れなのですが、そこに至るまでの主人公の心情の変化や、状況的に納得できるだけの材料も描かれていますので、最後の最後でふざけんなってことはないと思います。

キャラクターについても結構好みです。伊丹の悪党っぷりがたまりません。骨の髄まで悪いやつですこいつ。そんな伊丹に、政略結婚のような形で嫁いだ長女・永久の幸薄さもかなりぐっときました。永久に限らず、登場ヒロインが揃いも揃って皆良いです。属性を記号的に過剰にアピールしないのでテンプレ臭さがなく、しっかり自前でキャラクターを作れているなと感じられます。綺羅に対する主人公の「初対面の男に「お兄ちゃん」なんて呼びかける痛いやつ」との評に加え、それに対する綺羅が「男の人ってこういうのが好きなんじゃないの?」なんて言ってまして、これが痛快ですらありました。美少女コンテンツ全般にケンカ売ってますね。そういうの大好きです。よくよく分解していけば、ありがちなヒロインなのです。
ストーリー紹介より抜粋しますが

長女・永遠:清楚な立ち振る舞いの中に夫に躾けられた淫らな身体を収める
次女・紫衣:甘やかされて育ち、生意気でわがままな性格同様の肢体を持つ
三女・杏里:過去の記憶を失いその過去に振り回されるスレンダー美女
四女・綺羅:肢体にあどけなさを残し、住人にその愛らしさを振りまく

ぱっと見、それほど記号的にゴテゴテしてるわけではないのですが、記号的に分解しにくい、と言ったほうが正しいかと思います。よくある「ツンデレ」とか「委員長」とか、確かに作中で見れば個性的なんでしょうが、他作品にもほとんど同じようなキャラクターが無数に存在しています。同じ個性のキャラクターが量産されて、消費する側から見ると結局無個性になってしまうのです。その点本作、劇的に個性を放つヒロインというわけではありませんが、プレイすればするほど味が出ます。だんだんどんなキャラなのか分っていくようにできておりますので。こういうキャラクターの見せ方は、私個人的に大好きです。

作中の経過時間は数日と短いですが、中身は非常に濃いです。大筋で共通の展開はあるものの、エンディングが多彩なので全く飽きません。伊丹の策にハマり陵辱される姉妹、ちょっとした手違いで路頭に迷う主人公、か
と思えば何かの間違いで当主になってしまったり、特定のヒロインと幸せな未来を築いてしまったり。バッドエンドが多いだけにヒロインと幸せな未来が、一層幸せに感じます。純粋にヒロインの出来が良いというのももちろんありますが、バッドエンドで落ちるところまで落ちる結末があるというのは大きいです。マルチエンドのいいところですね。世の中には別のエンディングであろうともヒロインが不幸になるのは嫌なんて方もいらっしゃるようですが、消費の幅を狭めてしまうのはもったいないなと思います。それが悪いと言いたいわけではありませんけれども。

想像よりも抜けました。画が良いのはもちろんですけど、エロいセリフ言わせるのが上手いです。ただエロいセリフ言わせようとすると、どうしてもヒロインのセルフ実況中継になってしまいがちですが、本作は主人公としっかり会話形式でエロいセリフ言いますので、これが非常に良かったです。

やはり老舗だけあって良い出来です。前提として物語があり、魅力的なヒロインがいて、エロシーンも結構ハードなところまで用意してある、隙のない内容です。エロだけ、ヒロインだけという作品は多いですが、そこに物語まで用意してある作品は貴重です。エロだけだとヒロインを描ききれずにテンプレくさいキャラクターで終わってしまったり、ヒロインだけだとストーリーすっからかんで途中で投げてしまったり。本作は全面的に一定以上の充実感があり、実に良いです。そういう意味で、ちょっとした万能戦士な一本でした。

■追記
elfの活動停止に伴い、公式ページが消滅しました。悲しいです。一つの時代が終わりました。