全裸・ローラ・ラン~廃墟からの脱出~ 感想

あんまり期待していなかった『泡風呂エクスペリエンス』が思いの外良かったので、その勢いで購入となりました。
今回はタイトルとサンプルCGから全く中身が見えなかったのが決め手です。
というか、タイトルの引きが強すぎました。

むしろ正統派ADV

さて本作。
何の説明もなく誰もいない学校の教室に全裸で放り出されて……、というスタートから都度選択肢を選んで状況を打開していくという、フタを開けてみればすっごいちゃんとADVやってて笑いました。
このパッケージから出オチで終わらないのはそれだけで素晴らしいです。
選択肢もこの手の設定でありがちな理不尽覚えゲーでなくて、バッドエンドまでの流れから正しい選択肢がきちんと推察できるようになっているのも良い作りでした。
情報の出し方も絶妙で、自分が何者か、なんでこんなことになっていくのか、だんだん分かっていく過程はよく練られていると感じました。
つまり、ADVとしてよく出来ているんです。

エロシーンが二度楽しめる

最初は非常に安直に、山奥の廃校あたりにターゲットが放り込まれて、それを変態性欲者たちがレイプしていくみたいなそういうゲームかとか思ってましたが、すみませんさすがにそこまでチープではありませんでした(笑)
ただ、選択肢を誤れば結局敵にレイプされますので、やってること自体は近しいかもしれません。
シーン自体は普通(?)の凌辱ですが、方向性的に私の好みに近かったのと延々と不毛なテキストが続くタイプではなかったのとで、珍しくスキップしたい欲求に駆られることなくプレイできました。
エンディングを迎えてタイトル画面に戻ったら、どうやら中盤くらいに1シーン抜けがあったようで回収のために2周目、で発見がありました。
1周目は謎の腹筋バキバキ女が全裸で運が悪いとレイプされるってだけでしたが、伏せられていた情報を頭に入れたうえでプレイすると、捜査官尋問プレイっぽく楽しめて、一粒で二度おいしい的な。
鍛え抜かれた凄腕捜査官がレイプされて幼児退行とか最高じゃありません?

記憶喪失について

タイトルにもう「ローラ」って入ってるじゃないですか?
だったらこの主人公がローラだって思うじゃないですか?
それが罠なんですよミスリードなんですよ、みたいな警戒をしていました。
はい、分かってました。
本作、そういうどんでん返し系ではないのでね。
シュワちゃんとかスタローンとかセガールに『羊たちの沈黙』を期待するようなもんで、つまり私が間違っていたってだけの話です。

おわりに

意外なくらい、そつなくよくまとまったロープラタイトルだと思います。
ボリューム的にも内容的にも「ちょっと映画見るか~」くらいの感覚で一気にプレイ出来て、忙しい人にはありがたいのではないでしょうか?
これでヒロインがもうちょっとなぁ……。
あの髪型で、筋肉で、ピンクで、全裸で徘徊する変態ってあたりから、途中で何故かオードリーの春日を連想するようになってしまってえらいこっちゃでした。
髪型さえもうちょっと別の形があればと悔やまれます。
ショートカットは好きなんですよ?
ただ他との食べ合わせがねぇ……。

悲しい事故はありましたが、劇団近未来の地力を感じた一本でした。

2020.08.30