アイドル飽和攻撃

AKBが国民的アイドルなんて持てはやされ、大手を振ってあこぎな商売をしていることになんとなく腹が立っていましたが、それも一周してどうでもよくなってきた今日この頃であります。
しかしながらマンガやアニメにまでやたらめったらアイドルで、この飽和感はいただけません。
深夜に適当にテレビをつけたらアニメをやっていたので適当に流しているだけなのに、どうしてこうもアイドル美少女ばかり出てくるのか。
アイドルまで行かなくても、歌って踊る、みたいなアイドルを意識した方向性のやつ多いこと多いこと。
萌え市場についてアンテナ低めな私ですらお腹いっぱい状態なわけですから、一生懸命追っかけてる方々はきっと過剰摂取で消化不全なのではないでしょうか。

一つ面白いなと思うのは、虚構のライブというある種の自己矛盾です。
ライブの魅力について私の友人は、生の演奏や会場の一体感等々、現地でしか体感し得ない興奮があると言っておりました。
この証言に基づくならば、虚構の域を出ることの無いアニメのアイドル美少女達のライブは、本来的には永遠に完成しなわけです。
またアイドルとは元々の意味をたどれば信仰の対象を指します。
意味としては幻想や虚構も内包しており、かつてあった、アイドルはトイレに行かない、なんていうのはまさに若くてかわいい女の子が幻想を纏って神格化した姿でした。
そういえばこの手のアイドルモノって、会場費がいくらチケットに広告に運営スタッフに等々の金勘定のシーンとかって入るんでしょうか。
あつてのアイドルのうんこ同様、徹底的な汚いものを排除する印象があります。
今日に至ってはとうとう肉体さえも捨て去ってしまい、その分従来のアイドルよりもよっぽどアイドルなのかもしれません。

スキャンダルも起こさず、疲労も老化も無く、給料も必要ないのにグッズだけは実在のアイドルよりよっぽど売り上げてくれる。
こぞってアイドルモノやりたくなるのも納得です。
綺麗で純粋な偶像を、操る側では汚い思惑が蠢いています。
私はむしろ、そちらの汚い側の方が好きですけれども。