オフィスの中心で脂を噴き出した秘穴

ちょっと前に、大正製薬が内臓脂肪減少薬「アライ」の製造販売承認取得したというニュースがありました。
あったきり、いつまで経っても続報ありゃしないの。
早くしろ、こちらの内臓脂肪問題は切実すぎて、健康寿命が刻々と削られているのだ!

で、待っててもどうしようもなさそうなので、「アライ」のジェネリック的なお薬を個人輸入することにしました。
海外のジェネリック薬品とかいう怪しい響きと、目前の内臓脂肪および高脂血症問題、結局どっちも健康リスクフルスロットルなのであれば、まだ痩せる可能性にかけてみたかったわけです。
あと、痩せるための努力をしたくなかった。
しんどい、めんどい。

このお薬、どういう効果があるかといいますと、腸内で油脂を分解する消化酵素の分泌を阻害してくださります。
結果、カロリーの高い油脂が吸収されなくなるわけです。
世の中の皆様飽きもせず、次から次へとダイエット法を生み出しては忘れられ廃れていく。
それってつまり決定版が存在していないというわけで、どれも正直効果は微妙なんでしょうね。
私もいろいろ騙されてきたのでよくわかります。
それが今回、メカニズム的にすごくわかりやすくて説得力のある理屈。
しかも、毎食後にカプセル一つ飲むだけですもの。
今度こそ信じていいんじゃないか…? そんな心持ち。

そしてこの薬最大のポイント。
排出される油脂が、こちらの意志を無視して流出するケースがあるという噂があります。
そうつまり、うんこを漏らしたのと限りなく同じ状態になってしまうわけですね。
こちらの意志に関係なく勝手に漏れるうんこ。
なんという恐怖。
そろそろクソ汁をぶちまけてもらおうか! の比良坂先生ですら、事前の予告はしてくれるというのに。
似たような話でバラムツとかを連想された方もいるのではないでしょうか。
起こることはあれと一緒です。
バラムツの場合はそもそも消化できない成分で、この薬は消化酵素を抑えて、ケツから油脂を噴出させるわけですね。
これだけが不安です。
一定以上の年齢になってからの便失禁は社会生命に関わります。
少なくとも、自尊心的にはほぼ死に等しいダメージを受けること請け合い。
さて、この対策をどうするか……。

そんな不安をいだきつつも、件の薬が輸入代行業者に発注をして3週間ほどかけて手元に届き、実際に使い始めたのが先週の話。
いろいろ検討し、万全の対策を整えました。
というか、普通に生理用ナプキンを買いました。
ネット通販ってこういうときホント最高だと思います。
出勤前、人生初ナプキンをおパンティにセット。
この時点で、男性用下着に対応していない生理用ナプキンに落胆です。
なんだよおい、LGBT様最強のこの時代に生理用ナプキンは男性差別かよ、人権意識の欠片も感じられねえな!
一回パンツを脱いで、上手いこと肛門周辺をカバーできるようにガムテープで固定し事なきを得ましたが、私が悪質なクレーマーだったらこのユニ・チャームとかいう会社は間違いなく炎上していたことでしょう。
そして勤務中、いいぞ、仕事中に不意の噴出は起きていないようだ!
なるほど、世の女性たちはこんな不安を抱えつつ、ナプキンを頼りにしているんだな。
この時の私の女性に対する理解度は、全男性の上位20%程度には達していた自信があります。
どしたん? 話聞こか?

午前の業務を無難にやり過ごし昼休み。
さっそくトイレで成果が確認できました。
油がね、浮いてるんですよ便器の水の上に。
レビューで見た通り、黄~赤っぽいラー油みたいなのがプカプカと。
ただ気になるのは、あれ、これだけ…? という点。
油脂のカロリーは9kcl/g程度と聞きます。
眼の前に浮かぶ油、どう見積もっても小さじ1杯に満たないのですが…?
まあ多分、うんこ本体にも脂分は含まれてると思うんですよ。
その分含めて、実際にはどれくらいなんでしょうね?
それ次第では、減量効果が大きく変わりそう。
あと、うんこがすっげえ臭い。
いつもと違う系統の臭いで派手にくっせえ。
こんなん通常の以上に絶対漏らしたくないと決意を新たにしました。

そして今更気づく、そもそもの話。
もしケツ脂噴いてナプキンがクソ脂まみれだった場合、このナプキンはどうするのか。
男性トイレにはサニタリーボックスなどないのです。
やはり人権意識が……。
ナプキンもそれはそれで扱いづらいと判断し、翌日からは朝出勤前に厚めに折りたたんだトイレットペーパーをケツの谷間に挟む方式に切り替えました。
これでトイレで処理も問題なくなるはず。
まあ、トイレで処理しなければならない事態に陥ってる時点でもうだいぶ問題なんでしょうけれど。

さて、勢いで買ってしまったこのナプキン。
18個入り×2パックのセットがお安かったせいで、残りが35個。
日中はまともに使えないことが分かったので、やむなく夜間に使うことにしました。
私が最近はどんどん疑り深くなってきていまして、基本的に肛門を信用していません。
昔コピペネタで

うんこ「屁です!」
肛門「よし、通れ!」

みたいなのがありましたが、

屁「屁です!」
私「嘘をつくな!お前うんこだろ!」

というのが我が家の管理ルール。
日中にクソ脂を噴出せずに済んだのも、この習慣のおかげだった可能性があります。
しかし夜間。
警備体制は無意識に委ねられます。
就寝中の便失禁はまだ経験がありませんが、このクソ脂の場合どうなってしまうか完全に未知数です。
そこでこの余りナプキンなわけですね。
多い日も安心、朝までガード的な働きを期待せずにはいられません。

いざ装着してみて思ったのは、こんなんじゃ少ない日でもアウトだわ、とても朝までガードもたんわ、ということ。
これはもう確信がありました。
だって布団に寝転んだ瞬間、明らかに尻とナプキンの間に空間が生まれてるんですもの。
もうね、まったく密着感がない。
え、世の女性たちはどうやって多い日に朝まで守護ってらっしゃるの…?
こんなんもうダダ漏れ確定じゃないかしら…?

根本的におケツの構造が違ったりするんですかね?
あるいは私のおケツに贅肉が付きすぎてるのが良くないのか。
でも私より太い女性いくらでもいるわけでしょ?
わーからんなこれは。
あと、もし仮にナプキン使えるようになったとして、これでクソ脂噴いたら、結局クソまみれのナプキンどうすんの…?
え、やだよごみ箱に捨てるのすらも。
クソまみれの物体が住環境内に存在していること自体が嫌。
しゃあないので、日中に引き続きトイレ紙を股に挟んで就寝です。
皮膚表面の油分が吸われてデリケートな肛門周辺にダメージありそうで実は嫌なんですよねこれ。
背に腹は代えられないから耐えてますけれども。

結論:気合でなんとかしろ

もうね、気をつけて日々を過ごすしかどうしようもなさそうです。
幸いにも、というか、私の食生活の場合そこまで劇的に効果が出ることもなさそうな気配があります。
これ、基本的には欧米圏で広く使われている薬みたいで、向こうの人ってアホみたいに脂ギトギトな食事するでしょ?
あれだったら油脂を吸収しないカロリーメリットクソでかいでしょうし、大量の油脂が肛門に殺到して決壊させるのも理解できます。
日本人の食生活は多分ターゲットに入ってないですわこれ。
ちなみに一番脂出たのはカツカレーをキメた翌朝でした。
カツカレー程度であれだけ出るなら、肉!油!揚げもの!が基本な欧米人は相当ヤバいことになるはずです。

とりあえずは買ってしまった分で3ヶ月は試してみます。
これでなんか腹回りが改善されるような実感があったなら、次の3ヶ月検討したいと思います。
効果があって、かつ漏らさずにいられたら、結果の報告を上げるかもしれません。
当記事以降、一切触れることが無かったら、ああかわいそうに、効果が無かったんだな、あるいはクソ脂噴出して社会的に死んだんだな、人間失格してしまったんだな、とお察しいただき、いつもより何倍か増しで優しくしていただければ幸いです。


2023.06.13