デデンデン! 感想

90年代中盤の匂いを感じる横スクロールから滲み出る懐かしさが素敵です。よくよく考えてみたら、なんでそこにフルプライス出して突っ込んでしまったのか不思議なのですが、予約してしまったのですから仕方ありません。どうせ他にお金使うあてがあるわけでもありませんし。

さて、肝心のゲームパートですが、確実にゲームパッドの方が良いです。攻撃の方向指示が圧倒的に楽になります。キーボードでやるとイライラ感ハンパないです。私がこの手のゲーム下手っていうのもありますけれども。基本的には、海外の無料FLASHゲームで良くある感じの、同じステージを何度もプレイして武装を強化しながら新しいステージを攻略、なんてのを想像してたんですけど、実際やってみるとどうも違いました。まず、武装強化は必須ではありません。初期装備でも中盤くらいまでは特に問題なく進めてしまいます。また、新しい武装の方が必ずしも高性能というわけでもなく、バランスを考慮して作られているというよりは、とりあえずパターンだけ用意したから好きにやってくんろ、といったところでしょうか。この装備でないとこのステージはクリアできない、という具合の縛りはありません。そんなことよりも問題なのは、圧倒的なボリュームの不足です。せいぜい3分程度でクリアできるステージが8つしかなく、しかもうち3ステージはマップ使いまわし。古臭い画面の横スクロールの懐かしさに浸る間もなくエンディングです。これだけはホントなんとかならなかったのでしょうか。せめて周回して武装を強化しなければ先に進めない、とか足止めをしてくれればもう少し遊べたのでしょうに。

シナリオについても、ボリューム不足が残念な方向に影響しています。本作は「ドラマティックアクションゲーム」ということで、ドラマティック部分をADV、アクション部分を横スクロールに分割しておりまして、ステージの合間にADVパートでシナリオが進んでいくわけなのですが、このADVパートの長さについては本作適切に保たれています。よって次のステージプレイするまでにいつまでテキスト送りつづければいいのよ、ってことは起こりません。しかしそれはすなわち、テキスト量に縛りが出来てくるという事を意味します。結果、場面展開が急すぎてついていけなかったり、状況や世界観が説明不足でどうも薄っぺらく感じることしばしば。
時間経過についての整合性が怪しくなるのは本当にいただけません。なにせ本作、バックログも搭載されておりませんので、一度読み逃せば前後関係の確認を採る事も出来なくなってしまいます。まあ、それ抜きにしても世界観の詰めが足りなすぎて薄っぺらいのは間違いないのですけれども。
例えば、持ちこまれたばかりの新兵装をたった数日で複製してしまうだけの技術がありながら、どうして家電レベルのものを過去の「遺物」あつかいして発掘してこなければならないのか、とか。せめて20ステージ分くらいの尺があれば、武装強化の楽しみとか、より一層世界観を深めたりだとかできたでしょうに。それに咲だって、もっと本筋のストーリーに絡めることができたはずです。パッケージにいるのに、エンディング迎えても全く咲が登場しないので一周目は正直ビビりましたもの。

はっきり言って、これでフルプライスはふざけています。出せてもせいぜいが5800円くらいでしょうか。ブランド処女作で予算やなんかの都合があるのでしょうが、そのあたりは工夫してくれないと困ります。金がないからといって工夫することを放棄してしまっては、結局金があったところで面白いものは作れませんもの。出来るだけコンパクトにまとめるのは重要です。ですがそれは中身を濃密にするという前提ありきです。ゲームパートはそれこそ無料FLASHレベルですし、シナリオもそれっぽいけど世界観やキャラクターの描き込みやらのバックボーンが無いせいでどこまでも薄っぺらく、全くといっていいほど印象に残りません。特にシナリオの方はなんとかしてほしいです。全く本を読まない人なのだろうなというのがひしひしと伝わってきました。テキストがアレなのはまだいいとして、ネットスラングやら使い古されすぎたパロディなんかがちょくちょく入るのは勘弁して下さい。逆にいえば、ゲームパート自体は無料FLASHレベルには遊べるのです。こちらの方もう少し詰めていただいて、次回作につなげてほしいなと思います。プレイするかどうかはしりませんけれど。ただ内容を削ってコンパクトにすることは難しくありません。いかに内容を損なわずにコンパクトにするかが難しいのです。同様に、資金さえつぎ込めばある程度のものを作るのは難しくありません。それをいかに少ないコストで作るかが難しいのです。そういう知恵と工夫が、何かを作るには必要だと感じた一本でした。