積みゲー賽の河原



とっぱら ~ざしきわらしのはなし~

非常によくできたキャラゲーだと思います。とりあえず、美影の驚異的な破壊力により美影ゲーとなりつつあります(笑)決して壮大な世界の一大スペクタクルとかがあるわけではありませんが、ただ何の起伏もない日常描写を垂れ流すわけでもなく、プレイするモチベーションを最後まで保てました。ダラダラと日常が続くとプレイする側としてもだれますからね。それにああいうのは「こうすればお前ら萌えるんだろ?」って感じがしてあまり好きではありません。引き延ばして内容を薄めるくらいなら、テンポ良く短くまとめてくれた方が私としては嬉しいです。特に最近は、どこかで見たようなキャラクターを、どこかで聞いたような日常描写の継ぎはぎで作ったようなタイトルが多いので。「ヒロイン同士の絡みがない」と酷評なさる方もおられるようですが、そもそもそれ必要なんですか?それを必要とするのは萌えアニメの手法であって、各ヒロインの攻略ルートがあるのですから、問題ないかと。むしろヒロイン同士が延々とダラダラした日常描写を続けるだけのゲームの方が苦痛でしょう。

また、主題がはっきりしていたのもよかったのではないでしょうか。「生まれ変わり」とか「再生」といったテーマが全てのルートを通じて感じ取れました。何しろエンディングテーマが「rebirthday eve」ですからね。この曲欲しさにサントラまで買ってしまったのはここだけの秘密です。

そして実はこの「生まれ変わり」や「再生」というのは、シナリオを書く上での基本だったりします。主人公が一度死に、生まれ変わる過程こそが物語らしいです。つまり、ある出来事を経験することでその主人公は、それを経験する前とは別の存在になるのです。それを通過儀礼だと言って小難しい話を延々と続ける本を読まされたことがありましたが(タイトルは忘れました)、まあそれは置いておきます。どうもキャラゲーというと、主人公とヒロインがキャッキャウフフしてそれだけ、という作品が蔓延っているような感じですが、ADVという表現の都合により文章を読まされる以上は、せめて起承転結くらいはほしいわけです。腐っていた主人公がヒロインとの出逢いを通じて生まれ変わり、前向きに生きていくようになるまでの過程を描いたのがこの『とっぱら』という作品だったのでしょう。ちょっと基本に立ち返るだけでこれだけ、キャラゲーでもこれだけのめり込んでプレイできるのですから、他のブランドはこれをお手本にしてもらいたいものです。いやホントに、久しぶりに寝る時間も惜しいと思った学園萌え系でした。

イソラENDが少しもの寂しい感じになっていますが、私はあのENDが一番好きだったりします。結構別れが男を大きく育てるんです。主人公結構嫌なやつですからね(笑)最後の最後で予想通り美影がミドリになったわけですが、幸子は予想外でした。皆さんはそっちのほうも読めてたんですか?ちょっと美影にばかり目がいってました。といいますか、なんで美影さん幼態化しちゃうの!(笑)私個人的には大人ボディの方が断然好みでした。あと、プレイし終えて思ったのですが、主人公の妖怪嫌いはただの逆恨みでは?そこだけは気になりました。