積みゲー賽の河原


どすこい!女雪相撲

どこに出しても恥ずかしくない問題作です。ヒロインに相撲をさせてかつデブにしないための工夫が「雪相撲」なのでしょう。何がそこまで相撲へと駆り立てるのかは分かりませんが、またとんでもないものを作ったものです。

本作の基幹となるのが「理不尽ビンタシステム」と「相撲パート」です。しかし残念なことに、そのどちらもが問題を抱えています。まず「理不尽ビンタシステム」なのですが、これはしばしば表示される「応」「否」の二択によって張り手を先輩方から頂戴するという素敵システムです。困ったことに、この二択には選択を間違えると即バッドエンドの爆弾が仕掛けられています。しかもスキップが無駄に優秀なせいで、スキップを使うと前後の文脈なしで選択肢だけを突きつけられるという事態にしばしば遭遇してしまい、即バッドエンドへ飛ばされた日にはそれはそれはイライラします。さすがは「理不尽ビンタSLG」なだけのことはあります。「相撲パート」は、試合時に取り組み順を決定するというただそれだけのものなのですが、それぞれの試合である特定の取り組み順にすると「ドラマ勝ち」「ドラマ負け」というものが発生します。公式サイトにはさらっと「どの順番がベスト/ワーストかは、ADV中やその人の性格などから推察してください」なんて書いてありますが、正直なところそんなもん無理です。推察しようがないので結局総当りになりました。そして総当りでやるとすさまじい作業量になります。理不尽です。

また、相撲というものの描き方も失敗しているように思います。相撲パートではどのようなルールでSLGが進行しているのかイマイチ分かりにくいですし、「ドラマ勝ち/負け」における取り組みのテキスト描写も褒められたものではありません。そもそも相撲のように一瞬の勝負を描写するには通常のADVだと難しいです。媒体的な問題です。土俵の外のキャラクターの会話も、預言者じみていてどうも盛り上がりません。基本的に先輩方は、取り組み結果が先読みできるようです。その先読みの根拠が薄弱なので予言者っぽくなってしまいます。パッと見いかにも昔のマガジン臭いスポ根っぽく見えるのですが、よくよく見てみれば薄っぺらい試合描写っていうのが実際です。物語全体を通して見ると少女漫画でスポ根してる感じです。だから取り組みがしょぼいのかなあ……。

終わってみれば、1割のアイデアと9割の勢いに持っていかれた感じです。なんかどうでも良くなりましたアホ過ぎて。そのくせ全体で見れば主人公の成長物語で成立してるんだから、これはどうなっているんだ、と。主人公がムカつくやつなだけにそのギャップもあるのでしょうが、それにしても納得いきません。期待値が最悪だったので相対的にそう感じるだけなのですが。一番悔しいのは、プロローグで出てくる、全国高校女雪相撲大会で優勝した時の小百合のCG、ふんどしにブレザーというその姿にグッときてしまったことです。まあ、なんだかんだでいいバカゲーでした。