とある女戦士の集団面接 感想

過去色々あって、アトリエさくらの作品をプレイすることはもうないな、なんて思っていましたがこれはズルいです。
こういうバカゲーっぽいのは好きです。
そうは思いつつも、いやでもアトリエさくらだぞ? と今の今までなんとか放置し続けてきたものの、DMM半額セールの勢いでついに買ってしまいました。
正直ちょっと悔しい。
2019年の12月は、数えるのに両親の両手足の指まで借りないと足りないくらい、たいそうな本数を買わせていただきました。
それだけ買ったのに、なんで最初に着手したのが本作だったのか、ホント不思議。
そういうことってあると思います。
それが大人の世界です。

さて本作。
ぶっちゃけ内容について書くべきことはほとんどないです。
タイトルで内容がほぼほぼ語り尽くされちゃってて……。
長文系タイトルのお手本にしたいくらい、中身がタイトルのまんまで笑います。
「中途採用の集団面接に場違いなビキニアーマーの女戦士がいたら?」っていう、ホントにそのワンアイデアだけで一本作っちゃったわけですね。
それはそれで全く構いません。
むしろこういうシュール系の構図はかなり好きです。
ただし、おおよそ皆さんお察しかと思いますが、完全に出オチなんです。
始まった瞬間すでにクライマックスという。
その後は延々とボリュームを水増しするだけの空虚で地獄のように眠いシーンが続く……のかと覚悟しましたが、そこはさすがにしっかり工夫してました。
それが本作のウルトラCであるところの、本編からエロシーンの一切を排除するという所業です。
ああなるほど、その手があったか、みたいな。
これによりユーザーは、シュールすぎる面接を通じて女戦士氏が過去に受けた仕打ちの回想を集めるという異次元の体験を獲得し、制作側は出オチの熱が冷める前に逃げ切る事が可能になりました。

とはいえ、ワンアイデアの出オチ作品なので、ツッコミたいところは多々あります。
例えば思いつくだけでも

  • ・集団面接なのに他の人全然しゃべらないじゃん!
  • ・その場で結果即答とか面接担当裁量デカすぎ!
  • ・自己PRでなんでもっと勇者と一緒に魔王を倒した功績を語らないのよ!
  • ・そもそも魔王がいる世界観だったのかよ!
  • ・魔王を倒した御一行様でも就職活動しなきゃいけないとか世知辛すぎるだろ!
  • ・…etc.etc.

その場に乗り込んで超ツッコミたい。
終始うずうずしっぱなしです。
見方を変えれば、実況動画とか作るにはすごく適していると言えるかもしれません。
google先生に聞いてみたら、案の定そんな動画がすぐ出てきたので、やはりみんな考えることは一緒だと安心します。

しかし、しかしですよ。
冷静に俯瞰すればよく練られてるんですよ、商売的に。
「なんじゃこれ!?」のインパクトでの拡散力、実況動画上げやすいお腹いっぱいなツッコミどころの数々、本編からエロシーンを排除したことで安心してYoutubeにも実況動画を載せられる構造、ホント考えられてます。
ワンアイデアで作っちゃいました! だけじゃないんです。
まあ、個人的にはADV形式のゲームを動画で放流する輩がゲロ漏らすくらい嫌いなのですけれども。

シュールさは十分に楽しめました。
そのシュールさも、女戦士が集団面接っていうシュールさと、毅然とした態度でどセクハラな質問にノリノリで応えるせいで質問した面接官の方がドン引きしていくというシュールさの両方をしっかり押さえていて隙がありません。
惜しむらくは、エロシーンはいたって普通という点でしょうか。
「オークに犯される女戦士」というお約束をパロっている以上、そこは避けられないところでした。
これは構造的にどうしようもない部分なので仕方ありません。
見方を変えれば、何の捻りもない女戦士凌辱(しかも異種姦はあまり私の趣味ではない)を何シーンも詰め合わせで買わされた、なんて考えることもできます。
ただし、ここまで戦略的にやられるとズルいというよりもはや脱帽です。
アトリエさくらをちょっと見直した一本でした。

追記

公式サイト消えててなんでなんだぜ?
ページ自体は大したサイズでもないはずで、管理自体もサーバーに放り込んでおけばいいだけのはずなので、あえて公開を取りやめる必要があったということですね。
本作、アトリエさくら的に黒歴史なのでしょうか?

2020.02.01