DominancE 感想

1ヵ月ばかり延期はしましたが、まあ『STARLESS』の時を思えば誤差みたいなもんです。あの時はフルプライスの商業ソフトを一人で作るっていう発想が土台無茶だったのです。今回は聖少女氏、原画のみで参加みたいですし。アレ以降は今のところちゃんと年1本ペースで作れていますので、やっぱり役割分担って大事だなあと痛感します。延期のお詫び~みたいなノリで特典が追加になっていましたが、情報小出しにしておくとこういう時役立ちますよね。最初から用意していたやつの名目変えればいいだけですから。完全に邪推ですけれども。

さて本編。事前情報でかなりSFっぽい印象を受けておりました。プロローグ部分でも、それらしい雰囲気を醸し出しており、これはもしや、なんて思いもしましたが、コンバットアーマーのグラフィックが出ない時点で気がつくべきだったのです。これはあくまで聖少女作の抜きゲーなのだと。まあ、確かにところどころSF「っぽい」設定だけは出てきますが、これでSF作品ですなんて言おうものならSFファンに怒られること請け合いです。最悪、日本SF大会なんかでリンチされかねません。そんな本作を端的に言い表すならば、『STARLESS~宇宙編~』がもっともしっくりくるのではないでしょうか。性的に頭のおかしい親子、性奴隷状態の使用人、チンコだけ絶賛される主人公、等々。冒頭SFっぽかった世界観も、間宮家の豪邸がパールバティ号に替わっただけですし。ちょっと変化球ではありますが、結局は館モノなのです。

展開的にも、終始『STARLESS』と似たようなノリで進行します。まあ、館モノの展開なんてそうそう突飛なものにはなりにくいせいもありますが。相違点として挙げるならば、悲壮感とダークな雰囲気の度合いでしょうか。何と言いますか、わりと主人公余裕あります。脇役に妙なおっさんも2人の存在も大きく、ある程度メリハリをつけることに成功しています。おっさんたち定期的にアホで少し微笑ましくなりました。館モノの最大の敵は中だるみですので、毎日同じ展開の繰り返しに飽きを感じ始めると、途端に進まなくなってしまいます。本作はそれほどダラダラせずに展開していました。というより、特にやる事がなかった、という方が適切かもしれません。主人公の身分は、一応使用人なのですが、使用人の仕事がないのです。何せ舞台は宇宙時代、いろいろ自動化しているのです。ただ、未来にルンバは生き残っていなかったらしく、手作業での掃除が唯一と言っていいほどの仕事だったようです。ここは少し笑えました。おかげで主人公は、順調にエロいことと掃除ばかりしていた印象が強いです。メインはやっぱり抜きゲーなので、妙にストーリーやら設定やら凝り過ぎてついていけなくなるのは悲惨です。用語やら設定やら前後関係やら覚えていないと興奮度下がるパターンが稀にあります。すっきりまとまっているやつだと、最低限これだけ覚えておけというのが明確になっていますので非常に助かります。そのあたり本作SF風味ですので設定関係で多少懸念はありましたが、概ね大丈夫だったと思います。皮肉にも、それほど本格的にSF設定をメインに据えていないのが功を奏した形です。

終盤の展開は頑張る意思だけは感じました。残念ながら面白さまでは伴っていませんでしたが。形だけは綺麗にまとまってはいるんです、展開に説得力がまるでないだけで。途中で力尽きたのでしょうか。終盤はその時になってから考えよう、なんて見切り発車で制作始めちゃったとか。確かに制作期間は1年以下ですから、ありえないとも言い切れません。1カ月の延期もそのあたりに原因があったり?なんて勘繰りたくもなります。所詮抜きゲーのシナリオ、あくまで添え物に過ぎぬ、と割り切れればそれで良いんでしょうけれど、やろうと決めたなら完遂してほしかった気持ちもあります。だって明らかに「なんかよく分からんが助かった!」みたいな投げっぱなし感漂ってますし。ちなみに終盤のエロシーンについては結構満足度高いです。特に主従逆転はスカッとしました。あとは『STARLESS~宇宙編~』なだけに、終盤に行くにつれウンコばっかりです。躍動するスカトロジー感じます。やっぱりウンコ食わされました。このあたりまでくると、本当にシナリオの方には聖少女氏噛んでないの?と不思議なくらい。正直未だに私は、聖少女氏が『STARLESS』の企画書をプロデューサーの回転木馬氏に渡して「それの宇宙編でよろしく!」なんて場面があったのではないかと疑っております。

なんやかんや文句が多くなりましたが、それなりに楽しめました。タイトル通り女性上位の「支配」的なシーンだけでなく、イリーザと智子が酷いことされるシーンも存分に詰めこんであり、正直そこだけで元は取れていると思います。これで私にウンコ食う嗜好があればさらにしゃぶり尽くせたのでしょうが、まだまだ修行が足りませんので(今後修行するつもりもありませんが)、もしそのあたり楽しめる方であればかなり満足度は高いはずです。ただそれ以外の部分での中途半端さが気になるだけで、もしSF部分をもっとしっかり作り込んでいれば「スカトロSF」なんて奇跡のジャンルを生み出していたやもしれません。意欲的な作品はぜひ応援したいものです。さて、次はどんな『STARLESS~○○編~』が来るのか、もしくはまた全く別の物が来るのか。どう出るにせよ、どんなアホなことでもどんと来い、いやむしろ積極的にやってくれ、ただしやるなら徹底的にやってくれと、改めて思った一本でした。