積みゲー賽の河原


蒼海の皇女たち 感想

Uボート戦ADVというだけあって、映画の方の『U・ボート』をかなり意識しているなという感じがあります。そういうわけで物語の方も、ウルディアーナが一騎当千の活躍をするというよりは、生きて陸に帰ろうという色の方が強いです。たださすがに作品の性質上、『U・ボート』のように乗員がバタバタ死んだりはしません。フルメタル・パニックのトゥアハー・デ・ダナンみたなのを期待していると肩すかしを食らうでしょう。私はちょうど同時期にフルメタと『U・ボート』の両方を見た後にこの作品の発売を迎えたため、非常に美味しくプレイすることが出来ました。

ゲームはADVパートと戦闘パートで構成されています。戦闘の方はコマンドを選択するだけのお手軽仕様ですが、挿入されるアニメーションが臨場感あります。ただ、このゲーム基本的にシナリオが一本道なので、戦闘スキップがなかったのは少々辛かったです。確かに戦闘結果によってCGが出たり、シナリオがちょっと変ったりする部分もありますが、それにしたってヒロイン多いですし、これだけはミスだったのではないでしょうか。まあ敵船を沈めるのは気持ちいいのですけれど。あと案外魚雷って不便。

シナリオは一本道で、途中途中でヒロインごとのシーンが展開されます。
が、この一本道は決して手抜きとかそういうのではなくて、R18ゲームでありながら、ベースは戦争ものに残しているという背景からではないでしょうか。描きたかったのはヒロインたちとのドラマチックな展開ではなく、あくまで戦争であり、そして潜水艦だったのです。戦闘時の張りつめた空気、駆逐艦に囲まれた焦り、爆雷の衝撃、深海において損傷を負うという恐怖、密室の圧迫感、非戦闘時においても限られた空間や貴重な水、そういったものに製作サイドの執念のようなものを感じました。結果的に下手にルート分岐するよりよっぽど面白く、濃い内容となっています。その点で、「美少女」という括りにとらわれない意欲作かと。

何となく『U・ボート』に出てきたU96が、スティアのお兄ちゃんの方の船のモデルになってる気がします。「深淵の白狼」と聞いてそう思いました。本当に何となくですが。

戦争ものですから、むしろ戦局に関しては分岐によるパラレルな展開で興醒めになってしまう危険があります。歴史にifは厳禁ですよ。おそらくは第二次世界大戦をモチーフにしているのでしょうから、それはなおさらだと思います。ここでドイツが勝ったらオイオイってなるところですね。敗戦ENDいいじゃないですか。彼女たちにとって戦いとは生き抜くことでした。戦争には負けましたが、彼女たちは確かに生き残り、そしてそれは勝利と言えるでしょう。個人的には良いエンディングだと思います。