魔都拳侠傳マスクドシャンハイ 感想

ダウンロード販売開始を記念いたしまして。
この戦闘システムが案外面白いです。
ただしエンディングを一つでも見終えた頃になると、おそらく飽きていると思います。
せっかく敵を倒して宝貝を手に入れ、主人公が強くなってきたと思ったらラスボスがアホみたいな強さでコンティニューは確実、しかもコンティニューして仙道力を増やしてもなかなか勝てず結局は運頼りという有様なので。
あえて戦略みたいなものを考えてみるならば、とにかく早く五か所のスロットに一色ずつ別の色を埋めてしまって、特殊玉を空いているスロットに入れざるを得ない状況を回避すること。
水行を使って毒をかけること、くらいでしょうか。
毒は強いです。
笑えるくらい敵HPを削ることができます。
しかし結局、ラスボスと対戦するとホントに運ゲーだと悟りますので、一番の攻略法は気長にコンティニューし続けることになります。
ペナルティもありませんし。
コンティニューするたびに仙道力が増えますので、ちょっと粘れば五玉フル装備の五連撃がポンポン出ます。
これを一度経験してしまうと、序盤のバトルがしょぼく感じてしまいます。
ゲーム進行をクエスト制にして、物語の本筋と関係ないところで宝貝を手に入れられるだとか、周回データを引き継げるだとかしたら飽きずにバトルを楽しめたかもしれません。
妖仙専門の探偵という主人公の設定から見てもアリだったと思います。

エロシーンはメインヒロインが二回、サブヒロインが一回ずつです。
ただこのサブヒロインというか、一回きりの半モブキャラの多い事。
おかげで全エロシーン中メインヒロイン三人が占める割合が半分以下になってます。
また、バッドエンドでメインヒロインの陵辱シーンを見ることが出来ます。
メインヒロインでも容赦ないライアーさん素敵です。
ただ正直なところ、四天王的存在のボス以外の、中ボス的サブキャラのエロシーンは無くてもよかったかなあと。
その分でメインヒロインとボス四天王のエロを増やしてもらいたかったです。
特に凌辱系の容赦ない方向でいってもらえると、ギャグっぽい雰囲気とのギャップでエラいことになっていたと思います。

シナリオは、なんというか大味です。
しかし、基本がギャグタッチなのと、要所要所での熱い展開がそれをカバーしています。
一応変身ヒーローモノなので、熱い展開は必須です。
大筋の流れはメイン三人とも同じです。
ヒーローモノで、明確に倒すべき敵が設定されている以上、ルートごとに違う展開を持ってくるというのは難しかったのでしょう。
それでもルートごとに扱う事件を変えるなど、差異を出す努力の跡は見受けられました。
エンディングは三者三様、それぞれ毛色がだいぶ違います。
私は日和子のエンディングが気に入っています。
他ではあまり見ないタイプでしたし、熱いラストからすっと熱が引いていく感じが良かったです。

なんかもうほとんど勢いだけで持っていかれた感じでした。
細かいところ見ていくとツッコミどころだらけなんですが、ギャグっぽい雰囲気やらなんやらでどうでもよくなりました。
危機が迫ると水虫がかゆくなるとかいう設定どこ行ったんだ、とか気にした方が負けなんですよ。
そういう事にしておきます。
世界観、システム、発想は絶対に悪くありませんでした。
出来上がったものも、押さえるべきところはちゃんと押さえてます。
なのにあと一歩な印象を感じずにはいられない。
そんな未完の大器感がにじみ出る一本でした。