積みゲー賽の河原



ぼくの一人戦争

『太陽の子』なんて企画は無かったのだと私の中では区切りを付けておりましたが、やっぱり別タイトル出しちゃいましたね。まあ、失敗濃厚な企画にはきっぱり見切りつけちゃったほうが傷も少ないですし。これで『太陽の子』がしっかり発売まで漕ぎ着けたら笑えますね。もっとも本作中では、そういうダメな子も切ったらダメよ、みたいなシーンありましたから、それに倣って見捨てずにじわじわ開発進めてるかもしれませんけれど。……いや、無いか。そしてタイトルは、丸戸氏タカヒロ氏には頼らないという意味だと邪推。びっくりしたのは『G線上の魔王』から6年も経っているという事実です。それだけの間沈黙しておいて、突然『ぼくの一人戦争』出すよ!なんて言い出したと思ったらものの数ヶ月でほんとに発売しおりました。ネタを温めていたのか、突然やる気出したのか。どちらにせよ、コンスタントに活動してほしいなというのは確かです。

久しぶりに徹夜してしまいました。それも、よし今日は絶対に最後まで終わらすぞ、みたいな徹夜でなく、おいマジかよ朝じゃねえか今日平日だぞ、みたいな徹夜です。先が気になってグイグイ引き込まれてしまいました。やっぱりこの人のシナリオは力強さ半端ないです。それを表現するテキストも上手いので、頭にスッと入ってきます。上記の、おいマジか朝だよ、というのも、上等な日本酒があんまりにも飲みやすいものだから思わず深酒してしまうような感覚です。個人的に気に入ったのは、登場キャラが女言葉使わない点です。「~だわ」「~かしら」みたいな、今日日マンガやドラマでしか使わないのに、創作物では誰も疑いも無く使ってるアレです。少なくとも私は学生時代、フリーター時代、会社勤め始めてからも、あんな言葉遣いの女性に会った事がありません。その昔はホントに使われていた時代もあったらしいですが、現代日本においては極少数でしょう。こういう細かすぎて伝わりにくいこだわり大好きです。……いや、るーす氏が実際こだわっているかどうかは知りませんけれども。

しかしながら、伏線の張り方、設定の使い方、ミスリードの誘い方、最高です。冒頭初っ端のミスリードについては、思わず最初からプレイしなおしました。マジか……ってなります多分。設定面では結局「会」ってなんだったのって話もあるでしょうが、説明できるものだけで構成してワクワク出来ないのと、よく分からないけどワクワクするものなら、圧倒的に後者を選びたいです。「会」のルール自体は後出しに次ぐ後出しで収拾付かなくなっている、なんてこともないですし。魔法だから、で済ませてしまう中途半端なファンタジーよりはよほど潔いです。

後日公式サイトにて配布の、おまけにしては本気すぎるタワーディフェンスがありましたが、どうしてあれを本作に組み込まなかったか不思議で仕方ありません。上手いこと本編が反映されてて面白かったのに。フラグ処理等々のスクリプト処理面倒でしたか。選択肢なしの完全紙芝居は確かに素材さえ準備できれば単純作業ですもんね。定価6800円のカツカツ感が滲み出るようです。別に、面白ければ7800円でも8800円でもかまいませんが。

やれば出来るなら、2年に1本くらいのペースで作ってほしいなあ。でもスパンだけ見たら『車輪』→『G線』が4年、『G線』→『一人戦争』が6年ですから、もしかして次は8年後?いやいや、ご冗談を。才能ある人はやっぱりコンスタントに働くべきだと思った1本でした。