おキツネSummer ~夏合宿(女の子付き)~ 感想

正直言うと、これがプレイしたかったわけではありません。
私の記憶が確かであれば、私が初めてアダルトPCゲームを買ってから5本目くらいまでにはこれをプレイしていたはずなのです。
当時の私とどれくらい感性が変化してるのか、それを測るには非常に都合がよさそうだったのと、ネクストン10本1万円セールであと1本ぶち込まないといけなかったのとで、十数年ぶりかのプレイと相成りました。
そんな理由で買ったくせに、10本のうち一番先にプレイってのが実にアホです。


学園萌え系という、今となっては苦手なヤツ

さて本作、今の私の感覚的には絶対手を出さないと確信を持って言えます。
こういう明確な目的無く女子学園生集団がわちゃわちゃしてるだけの話に、私はもう耐えられないのです。
垂れ流される夏休み合宿の日々、特に何かあるわけでなくペンションでの何気ないイベントが平坦に続いてくという、きらら系の4コマを延々読んでいられる人にはご褒美なのでしょうが、今の私には無理です。
いや、初めてこれをやった当時の私もそのあたりのジャンルは苦手だったはずですが、アダルトPCゲームという未知の媒体に対する新鮮さが勝っていたのかもしれません。

この手のジャンルだとだいたい、共通ルートで仲良くなって、個別ルートでくっついて、ヒロインの問題を解決してより深く結ばれエンディングへ、みたいな流れですが、この「ヒロインの問題」というやつが大抵しょぼいというか、ただのお悩み解決やんけってのが私の印象です。
社会人になっていろんな理不尽にさらされた今となってはホント些細な話で……。
本作も例に漏れず、そこまで深刻な話です? という、そんな感じ。


今の嗜好には合わぬ

昔はそれなりに楽しんでプレイしていたはずなのですが、びっくりするくらい今の私に刺さるポイントがありません。
むしろ気になる点がボロボロ出てくる始末で。

一人称が自分の名前の女性ってどう思われます?
私は吐き気を催すほど苦手です、完全にヤバいヤツです。
あれが許されるのは幼児までで、彗佳の年齢は完全アウトです。
すっごいきっつい。

主人公の言動が完全にオタク系のそれなのもきっついです。
オタク系キャラとしての演出でなく、ナチュラルにそうなのがさらにきつい。
セリフが逐一「めっちゃ早口で言ってそうw」なオタク君のそれです。
理屈っぽいというか鬱陶しいやつ。
なにより、私の古傷をえぐってくるのが本当にきつい。

主人公と鈴緒のやたらポエミーな語りも、冗長なだけでイマイチ……。
鈴緒のキャラ付けには多少役立っているかもしれませんが、投じた物量相応の効果があるかは微妙。


そもそもヒットを狙って作ったわけではないのでは?

当時のネクストンがどんな雰囲気だったか、リアルタイムの記憶はないです。
そこまで気にするだけの情報収集力も感覚も私にはありませんでした。
年表だけ見れば『恋姫無双』の直前くらいで、抜きゲー以外はまだ細々やっていたころでしょうか。

邪推をするならば、むしろ、いろいろ試してキャラ萌え系を模索していたのでは? なんて妄想も楽しいです。
そういう手探りがあって、なんらかの確信が持てなければ『恋姫無双』の制作には踏み切れないと思います。
あの物量は、半端な決意じゃ投入できねえです。
本作は、もしかするとこっちの開発チーム自体が試金石だったのかも……?

※根拠のない完全な妄想です

まあ、さすがに売れなくてもOKレベルの気の抜けたことを考えていたわけではないと思います。
今公式サイト見ると、公式サイトの更新ボリュームすごいですもん。
最近これくらい力入れて発売前にいろいろやる作品そんなないですよ。
金かけることは極力絞る世知辛い今日この頃。


おわりに

通常ではない理由でプレイを開始した挙句、結局ほぼ文句しか言わなかったので多少の後ろめたさがあります。
いやね、従妹はかわいいですよ従妹は。
あとみんなおっぱいおっきいのも良いですし、立ち絵のクオリティが高いのも良いです(一枚画はちょいちょい微妙…)。
ただそれ以上に人の趣味嗜好って年とともに変わるんだなあって。
そこで過去の自分の価値観に固執しすぎても、良いことなんて一つもないので、変化を受け入れられる自分でいたいと思いました。
とはいえ、無駄に年は取りたくないなあと感じた一本でした。

2021.10.23