俺と冴子さんと寝取られメール 感想

LiLiTHのタイトルは、公式ページを一見した瞬間に買うべきか否かが分かるので助かります。
メーカーとしてセールスポイントのアピールが上手なのか、ただ単に私とフィーリングが合うだけなのかは知りませんが、本作はビビっときました。
ただ問題は、その買うべきソフトが必ずしもプレイすべきソフトであるとは限らないことで、さてでは今回は。

タイトルにもあるように寝取られモノとして作られた本作ですが、はっきり申しあげまして、寝取られモノを期待するとがっかりします。
まず一周目。
選択肢は表示されず、基本的に主人公視点で展開されますが、主人公は最後まで冴子が照島と関係を持っている事を知らないままに終わります。
一応途中で主人公には照島から、冴子さんと何をしたのか逐一メールが届き、なるほどこれが「寝取られメール」か、と思ったのもつかの間、なんと主人公これを迷惑メールと判断。
確かにわけのわからないエロい文面のメールが来たら誰だってイタズラかスパムだと思うでしょう。
照島先生にはもう少し工夫してほしかったところです。
まさかの寝取られメール不発以上に問題なのが、ここにおいて主人公視点では冴子さんは寝取られていないことです。
そんなこんなで二周目。
今度は主人公が寝取られメールを読んでいる向こう側で、実際に冴子さんが照島先生に何をされていたのか、そのシーンが挿入された形で話が展開していきます。
一周目のメールからおおよその内容を知っているだけに、想像を膨らませていた分興奮度も割増しでした。
このあたりはさすがに上手いです。
ですが今回も最後まで主人公は冴子さんの実に何が起こっているのか知らぬまま。
寝取られるエンドへと進めるのは志帆のシーンが解放される三周目からです。
この三周目からはさらに三つのエンドが解放され、二周目までを合わせると全部で五つあります。
ただし、フラグ管理が非常にシビアで、なかなかこの残り三つのエンドに入れません。
一応ヘルプにヒントが入っているのですが、それによれば冴子さんを攻略しつつ志帆もしっかり攻略しろとの事。
この場合の攻略というのは、果たして主人公視点でなのか照島先生視点なのか。
スキップがあまり速くないので、非常に苦労しました。
苦労する理由がヒロインを寝取らせるためというのが、なんとも言えない悲しみを誘います。
で、いざ寝取らせてみたらみたで、主人公視点での苦悩も悔しさもイマイチ伝わってこないという。

以上、寝取られモノとしてみればちょっと及第点に届かない感じの本作ですが、逆転の発想で寝取りモノと考えてプレイすると、おそらく感想がくるっとひっくり返ります。
照島先生が大胆かつ狡猾に冴子さんを追い詰めていく過程を見るに、どうしてこれを主人公視点の寝取られ描写で発揮できなかったのかと文句の一つも言いたくなるのですが、三周目くらいですでに私は本作を寝取られモノとは思っていなかったので、むしろ照島先生もっとやっちまってくださいと拍手の一つも送りたい心境でした。
実にやり手の凌辱者です。
また同時に、彼は出来る変態でもあり、シーンの幅が非常に広いです。
全編通じて同じようなシーンと言うのはあまりなかったように感じます。
LiLiTHの数あるタイトルの中でもかなり過激な部類に入るのではないでしょうか。
まあ触手中心のタイトルにはあまり手を出していないのでハッキリとしたことは言えませんが。
とにかく、非常に興奮度の高い状態を維持しながらプレイすることが出来ました。
ただし、性感を開発していく過程を楽しみたい人には向かないかもしれません。
冴子さんは未亡人ということで、わりと最初から開発済みですし、サブヒロインの志帆もどうやらいやらしい娘だったようで。
ただでさえロープライスでボリュームが限られることに加え、サブヒロインですから仕方ないといえば仕方ないです。

見方によって感想が異なる本作ですが、結局いいとこどりというか、ちょっと流行ってるみたいだし寝取られモノ作ってみる?という姿勢を感じました。
寝取られモノを意識して作られてはいますが、形だけ取り入れただけといいますか、イマイチ寝取られモノへの情熱が伝わってきません。
最初から素直に照島先生を主人公にして製作すれば寝取られモノを期待したユーザーの反感を買うこともないでしょうし、寝取りモノとしてより出来のいい作品になったのではないでしょうか。
実際に寝取りモノと認識を改めてプレイすると満足の出来だっただけに、そこだけは残念に思います。
あとしいて言うならば、校則の厳しい学校でそれを体現したようなお堅いクールな教師がそんなに胸の開いた谷間全開の服着て授業したらいかんだろうと。
確かにあれはあれで男のロマンなんですけども。