【エヴァーメイデン】ASMR ルク編

ここ何年か、多いですよね音声作品。
ゲームや書籍、CG集みたいなやつに比べて圧倒的に作りやすそうに見えます。
というか、CGやイラストの制作が製作期間・コストともに重すぎる感じでしょうか。
その点、音声作品は表紙的なのを一枚用意してやればOKですから。

ただ、正直あまり好きではありません。
理由が大きく二つあって、一つが消費速度のコントロールができない点です。
これはアニメとか映画もそうですが、消費速度を媒体の速度に合わせないとダメじゃないですか。
それが途中で面倒になってくるんですよね。
Amazonとかでkindle audibleみたいなの最近推してるみたいですが、あんなん論外です。
5時間とか6時間とか、耐えられるわけありません。

もう一つが、声優一人しかキャスティングされていない点です(まれに例外あり)。
一人じゃ会話にならないので、作中では延々と一人でしゃべり続けることになります。
それでストーリーを展開するとか無理すぎません?
実際、結構短い場面を切り取って描く作品が多いですし、もっというとみんな死ぬほど耳かきしまくってます。
ストーリー展開するにしても、相手側のセリフや動作を「〇〇だと言っているのかい?」みたいに、一人で疑似的な会話として処理するさまは醜悪の極みです。
ただ、一人のセリフで相手の会話まで見えるような、そんな脚本も確かに世の中には存在します。
かなり高度な技術です。
もしかすると、このジャンルにもそんな感じで上手く処理してるケースがあるかもしれませんが、そんなもん作れる人はもっとふさわしい場所があると思います。

まあそういうわけで、音声作品というジャンル自体と距離を置いて、互いに幸せな関係を築いていたのですが、よりによって『エヴァーメイデン』のが出てしまいました。
これはもうどうしようもないということで買わざるを得ず、というところまでが本記事の枕になります。
わりともうすでにお腹いっぱいや……。


ルクはそんなことしない、多分

ライアーソフトも音声作品か…、でも百合霊さんでドラマCD出してたし、もしや一日の長があるやもしれぬ、みたいなこと考えてました。
よく見たらこれ、公式二次創作みたいな位置づけなんですね。
一応ライアーソフトで監修はしてるみたいですが、監修なんてしょせん監修ですから。
そもそも、冷静に考えたらルクは耳かきとかするキャラじゃないですよねー(熱い手のひら返し)。
しかしまあ、それを言い出すとグッズ展開や各種メディアミックス自体否定することになりますので良しとしましょう。
そんな大量の相手、私には捌き切れませぬ。

で、だらだらと聞いてたんですが、なんかよくわかんないですねこれ。
耳の穴いじいじされて、洗髪であたまいじいじされて、添い寝でごそごそしながら寝息が聞こえてくる、だけ。
いや、それが音声作品ってもんよって言われたらそれまでなのかもしれませんが、もっとこう、なんかあってもよくない?
あと、ルクにあんまりそういうイメージないのも軽く違和感。
彼女そういうこと多分しないでしょ。
したとしてもアルエット限定でしょ、そうであってくれ。
一応、常に二人称を使うことで気を使っている感はありましたが、ユーザーと登場キャラの関係に落とし込みたい音声作品側の都合と、ルクはアルエット以外にそんなことしないという百合ユーザー的地雷の折衷案というか、妥協の産物的な感は否めません。
もう素直にアルエットと呼んでくれて構わないです、こっちが勝手にアルエットになりますから!
……そうか、これが百合カップリングなのかと、逆になんかようやく感情を伴って理解に至った心地。


ASMRとは…?

これもよくわかんねえですね。
耳の穴ごそごそがさがさ、炭酸シャンプーでしゅわしゅわぱちぱちされただけでごぜえます。
そもそもASMRって、そういうのを高音質で聞くとなぜか気持ちいい、みたいな発見から始まっていた認識です。
たしかにYoutubeとかでそういうコンテンツに触れて、なるほどと感じたことはあります。
ただ本作、これが気持ちええんか…?

もしかしたらもっと上等な音響設備で楽しむべきだったのかもしれません。
私のクソ雑魚イヤホンではパワー不足だった可能性があります。
ただ、じゃあ自室のもう少しまともなスピーカーとかヘッドホンで聞けといわれると、いや、そこまで腰据えて聞きたくもないんですよね。
これ聞くためだけに時間割くのは正直考えられません。
せいぜい「ながら」で聞く環境音が限界です。

あと、思ったよりルクのキャラが前面に出てきません。
そりゃASMRで、そういうごそごそぱちぱちサウンド聞かせるコンテンツなんだから、みたいに言われたらそれまでですが、セリフとセリフの間隔が今まで見たことないくらい広くて面喰らいました。
ライアーソフト監修と銘打たれていますが、別にそこまで監修するテキスト量多くなさそうです。
やっぱ公式同人ですわ、これ。


おわりに

あわよくば、ルクとアルエットの日常回的な何かを期待していたことを否定しません。
で、残念ながらそういうのではなかったという、結局はそれだけの話です。
ASMR的な出来については、あまりはっきりとしたことは言いにくいです。
私の中にASMRを評価する基準がありません。
……という前提でですが、特にお耳が気持ちよくなっちゃったりはしませんでした。
第二弾としてアヴェルラ様が出ておられるようですが、そっちはスルー予定です。
ルク以上に耳かきのイメージありません。
パヴォーネとロビンがきたら若干悩む、くらいでしょうか。
しかもそれぞれ、野月まひるとかわしまりのが普通にしゃべってるだけの音声の方がまだ欲しい、くらいの前向き具合で。
まあその、相性が悪かったね、残念だったねという企画でした。

2022.11.30