エロシーンがないと嫌だけどいざ始まると鬱陶しいあの謎の現象

ここ数年、どうも矛盾した思いを抱えています。
アダルトPCゲームやってるのにエロシーンが鬱陶しいのです。
特に学園ものに代表されるようなキャラ萌え系。
じゃあCS機で全年齢版やれば？　って話なんですけど、それはそれで嫌なんです。
エロシーンが無いやつはどうもプレイしたくありません。
エロシーンが無いとプレイしたくないんですが、エロシーン自体は面倒だと思ってしまう、この不思議な現象。
同じような思いを抱いているユーザーの皆様、潜在的には結構いるんじゃないでしょうか。
今日はその辺についていろいろ考えてみようと思います。

鬱陶しいエロシーン

エロシーンが鬱陶しいといっても、全部が全部というわけではありません。
わりとサクサク進むケースと、あ゛ーもう！　と別ウィンドウ開いて他の事始めるケースがあります。
では実際のところ、どんなやつが「あ゛ーもう！」となるのか思い返してみたら、以下の3要素に集約されました。

①やたら長い
エロシーンが長いと、だんだん嫌になります。
私としてはテキスト量それ自体に価値は求めていません。

②ワードのチョイスがどうかしてる
世界観っていうと大仰ですが、状況と単語がマッチしていないと萎えます。
自発的に卑猥なワードを吐く処女とか。
わるきゅ～れやシルキーズの一部タイトルみたいに、一周まわってそれ自体ネタになっているやつはまた別ですけど。

③ほぼヒロインのセリフで進む
典型的なのはヒロインが延々と一方的に実況中継しているやつです。
ひたすら「私の膣内でおちんちんがビクビクしてる～」的な内容で一方的にしゃべり続けるとかどういう状況やねんと。
上記の①と②の合わせ技みたいな感じ。

この業界のシナリオライターは「文字数＝お賃金」なので、とめどなく（私的には）何の意味もないテキスト量だけが膨れ上がることがままあるように感じます。。
まあ、テキスト量だけでボリュームがどうこう文句言うユーザー側にも責任はあるのでしょうけれども。

また逆に考えれば、上記の①～③を避けて「無駄に冗長にせずに、キャラや世界観を壊さない範囲で、適切なバランスで会話のキャッチボールをする」ことで、かなりの鬱陶しさを軽減できそうな気がします。

何故エロシーンが無いと嫌なのか

こんな面倒くさいこと言うくせに、それでもエロシーンを求めるのはなぜなのか。
恐らくですが、確認したいのだと思います。
この娘はエロシーンで何をしてどんな反応をするのか、どんなことを言うのか、そういうのを。

もともとこのジャンルって美少女消費とすごい相性良いんですよね。
アニメとかマンガとかだと踏み込めないところまで美少女を消費しきれるようになっています。
例えば我々が当たり前に享受している「ルート」とか「マルチエンド」という概念。
複数登場するヒロイン全員とそれぞれピュアな関係を持つっていう矛盾を、たったひとつの終わりしか描けない媒体では実現できません。
そこをさらに掘り下げて、性的な関係の部分まで消費対象にしてしまえる。
これってホントすごい発明です。

そしてそこまで消費できるものという前提に立っているから、エロシーンがないと嫌なんだと思います。
単にエロいものが見たいのに見られないっていう渇望以上に、そのヒロインを消費しきれていないという欠落感があるのです。
さらに言えば、そのエロシーンさえ見られた時点でヒロイン消費の欲求が満たされているにも関わらず、終わることなく延々と見せつけられたり、ワード的なギャップやヒロイン消費と別領域で展開される不毛なセリフ群（セルフ実況中継）でそもそも消費欲求が望む形で満たされなかったりするために発生する「何か違うぞ」という違和感が「エロシーンは見たいけど、いざ始まったらスキップしたい」という矛盾の正体なのではないでしょうか。

全年齢版のADVに求めるもの

あくまでこれは消費のクセみたいなものだと思います。
例えばCS移植版から入ってきた方というのは、案外こういう感覚なかったりするのではないでしょうか？
とはいえ、よくある「PC版のエロシーン抜いて適当にイベント追加してCS移植」って実際問題ただのモンキーモデルですよね？
追加する要素よりも削除される要素の方が多いってのは全く好ましく思えません。

過去振り返って、全年齢版でプレイしたのって『魔法使いの夜』や『STEINS;GATE』、『Ever17』くらい？
そもそもR18版が存在してないやつです。
今年に入ってからはさらに『マルコと銀河竜』と『徒花異譚』をプレイしました。
これら共通しているのが、キャラ萌え系ではない点です。
そういう要素はありつつもそれだけじゃなくて、もっとメインのエンタメとして見せたい要素を持っています。
それくらい腰を据えた作り方をしないと、全年齢のADVでキャラ萌えだけじゃしんどいんじゃないかなと思います。

おわりに

なんとなくここしばらく感じていたことは言語化出来たような気がします。
自分が何を求めていて、それに対して何が足りていないのか、どういうギャップがあるのかを把握することは、個人的にとても大事だと思っています。
何が解決するわけではありませんが、事故の可能性は減らせます。
まあ、自分が気に入らないものを攻撃したい気持ちが混じっていることを否定はしませんけれど。