桃華散る ~少女剣士の報復は慟哭に満ちて~ 感想

まずは萌えゲーアワード2010エロス系作品賞BLACK金賞受賞おめでとうございます。
投票した甲斐がありました。

キャラ設定の「スパッツを履かずにはいられない」がちょっとアホっぽいですが、実際プレイすると重いです。
凌辱劇をヒロイン視点で描くわけですから、当然と言えば当然なのでしょう。
ヒロインによる凌辱者への復讐劇が中心にあるわけですが、まあ基本的に返り討ちです。
ちょっと桃華さん、頭が弱い部分がありまして、木刀一本のみの武装で敵のホームに乗り込んで行ったりしてしまうので。
強く気高いヒロインが踏みにじられ汚される様はまさに、「姫騎士~」とか「戦乙女~」とかの現代版といった感じ。

肝心の内容はというと、過激の一言に尽きます。
拘束レイプは序の口で、二穴同時、野外輪姦、浣腸やピアス、3800円(大人のおもちゃ付き)にしてはやりすぎなんじゃと、AILのサービス精神には感心するばかり。
加えてヒロイン視点ということで、凌辱の悲惨さがより浮き彫りとなっています。
たんに欲望をぶつけられる姿だけではなく、桃華の心の悲鳴が描かれるからこその悲惨さです。
そしてその悲惨さに正比例してこちらの興奮度は高まります。
もうギンギンです。

また、そんな悲惨な状況におかれながらもその行為に快感を覚え始めてしまう桃華の苦悩。
ここが描かれるのもヒロイン視点ならではかと。
何せここまで不幸なことになってしまっている桃華ですから、終始悩みっぱなしといっても過言ではありません。
その苦悩、葛藤する姿は、もはやある種文学的といっても過言ではないでしょう。
彼女の葛藤がどういう形で落ち着くかは、まあご覧あれ。
マルチエンディングって素晴らしい。

シナリオ的にも私はこれ面白いと思います。
特にEND1の、桃華が最後の最後で、凌辱者たちに復讐を遂げることではなく、凌辱されたという過去を受け止め乗り越えていく姿は、ただの凌辱ゲーとして埋もれさせておくには惜しいとさえ感じます。
グッドエンドとは程遠いかもしれませんが、物語ってパッピーエンド=グッドエンドってわけじゃないんだぜ?とでも言いたげな、そういうエンドです。
他のエンドは、とにかく桃華さん不幸です。
ただただ不幸です(笑)全エンド中半数以上で人としての尊厳を失ってますから。
まあそれがあるからこそ、END1が際立つんですけどね。