奴隷姫騎士と奴隷侍女とのスローライフ 感想

人生に疲れてくると、どんよりとした閉塞感みたいなのに襲われるようになります。
人生の目的感とか使命感とか、そういうのがあればまた違うのでしょうか?
頑張って生きる気力を失って久しいです。
そういう人向けに「スローライフ」ってワードが流行っているのかもしれません。
富・権力・名誉、そういうのを掴み取るレースから降りてのんびり暮らす、とにかくストレス要因を排除した生活、みたいなニュアンスという認識です。
ホントもう働きたくなくて、そういうの今どこまでも刺さる。


私の知らないWaffle

さて本作、あれ、Waffle…? 的な驚きです。
とにかくビジュアルが大きく別路線ですよね、これ。
基本的にWaffleはもっとセル塗りなイメージ、というか業界全体的に見てここまで厚く塗ってくるのはなかなかお目にかかれません。
パッと思いつくところだと、シルキーズプラスが気合い入ってる時くらいでしょうか?
それくらい、クオリティ的なインパクトが強烈。

ただ、私のWaffleのイメージってかなり『巨乳ファンタジー』のイメージに寄りすぎてる部分もありまして、あれだけでWaffle語るのも失礼な話です。
昔は『〇〇接待』のシリーズも結構やってましたが、あのチームの塗りもかなり独特ですから、冷静に考えたら今回がそこまで不思議な話ってわけでもないかもしれません。
久しぶりに毒島音露をリバイバルしてくれたら結構興味ありますが、ああいうド直球の凌辱って最近やっぱ需要イマイチなんでしょうね……。
供給がなくてとても辛いです。

ちなみに、オチとしては原画の柾見ちえ氏が塗りまで全部やってますってだけの話っぽいですね。
立ち絵から一枚絵まで全部一人でこなすとはすさまじい作業量です、恐ろしい……。


スローライフ感はイマイチ

タイトルが『奴隷姫騎士と奴隷侍女とのスローライフ』じゃないですか。
つまり本作の構成要素の1/3はスローライフなんですよね(暴論)。
冒頭述べました通り、最近私もそういうのがすごく刺さるお年頃なんです。
労働とかストレスから解放された生活って点では『ようこそ! スケベエルフの森へ』とか『ムチムチデカパイマラ喰い魔王様とおんぼろ四畳半同棲生活』なんかも悪くありませんでした。
ああいう頑張らなくても日々を垂れ流せる、苦労なく勝手に日常が流れていくような生活はとても良いものだと思います。

ただ本作、イマイチ生活感がないんですよ。
一応、3人での生活を始めるにあたって「あれがない!」「これどうすんの!?」とあたふたする描写はありますが、生活を楽しんでいるというか、のんびりと垂れ流すスローライフ感がイマイチです。
しいて言えばエロシーンのシチュエーションでしょうか。
それにしたって、釣りをしている最中とか、暮らしている家の中とか、生活の中ってだけでスローライフかどうかは微妙なところ。
表現が非常に難しくなるのですが、スローライフを楽しむゲームというよりは、スローライフ的シチュエーションでのエロシーンを楽しむゲーム、というのが適当なところかもしれません。

ただ、あくまで「私が考えるスローライフ的なもの」と比較しての話なので、世間一般で認識されるところのスローライフ的にどうなのかは判断しかねます。
森の中で自給自足してる時点でスローライフだろってなるかもしれませんし、自給自足ってそんな楽じゃねえよって気になる人もいるかもしれません。
根本的に、ジャンルの定義って不毛なのでね。


奴隷の話

奴隷に堕とされたけどご主人様クッソ優しくてギャップで好感度爆上げみたいな妄想、まあしますよね。
それをそのまま体現したのが『奴隷との生活 -Teaching Feeling-』だったりしました。
ただやっぱり雰囲気は全然違って、『奴隷との生活』が独占欲をこれでもかと搔き立てる仕掛けまみれだったのに対して、こっちはあくまでヒロインとの距離感を一気に縮める説得力としての材料っぽいです。
そこに尺取って面白くなる感じもしないので、まあそれはそれで。

序盤のヒロイン二人の服装についてなのですが、奴隷らしく粗末なもの着せられてるじゃありませんか。
この服装で森に入らせるとか主人公結構鬼だなとか思いましたが、それ以上に妄想してしまったのがパンツです。
奴隷でもパンツ履かせてもらえるんだなとか眺めておりました。
でもこんな上等なパンツ履かせてもらえますかね?
世界観的にゴムとかはなさそうですし、だったらパンツも紐なんか通して留めるタイプかと思うんですよ。
となると構造的に複雑になって、奴隷が身に付けるには上等にすぎるものになってしまいます。
すると、ボロすぎる衣服となんかアンマッチというか、整合性に違和感が出てきます。
より粗末にするなら褌とかの方が自然じゃありませんか?

…いや、もっともらしい理由つけて自己正当化するのはよします。
単純に私が褌姿のヒロイン二人を見たかったのです。
いろんなギャップが波状的に押し寄せてくるので褌の女性っていいと思うのですが、なかなか同志がおりません。


おわりに

特に意外感なく、ひたすら平坦に終始ししました。
人里はなれた森の中で、他キャラの立ち絵やボイス、背景あたりの素材削って作りたかったのかな、なんて思いましたが、その分のリソースはヒロイン二人のグラフィックに全振りみたいな感じで、この思い切りの良さは好きです。
スタッフロールで流れるのがヒロインのセリフだったのもそういう都合でしょうか?
そのあたりも含めて戦略的に題材持ってきてるとしたら強いなと感じた一本でした。


2022.02.16