忍流

いいぞ、着々とソフトハウスキャラタイトルのDL版買い直しが進んでいるぞ! という今日この頃です。
まあ金出せばすぐなんですけど、どうせならセールでお安く買いたいじゃありませんか。
それが人情ってもんです。
10本1万円セールは強い。


意欲的なゲーム性ともう一歩なシステム

さて本作、地味ではありますが結構な意欲作になっております。
もともとここは戦闘パートをオートバトルで済ますタイトルが多いのですが、今回はそれを陣取りSLGでやろうと考えたわけです。
この発想はとても面白いと思います。
しかも、陣取りを表向きの大名の勢力図、裏側の忍衆の勢力図の二軸で展開するわけで、なんなんそれめっちゃわくわくするやん!

…というのがコンセプトの話。
そのあたり、ある程度遊びとしては落とし込めてはいるのですが、いかんせん説明不足が目立ちます。
取説にしれっと書いてある「国力がないと大名は行動できない」とか、普通に見落とします。
もう取説読む時代でもないんでね……。

あとは作戦行動に必要な情報の取り扱いについても、これはかなり面倒です。
調査任務で狙った情報を全然取ってこないので、戦略的な作戦行動がなかなか取れません。
情報が手に入らないので、支援している大名の領地の戦力や国力を上げる任務が指示できず、よしんばそれができたとしても、今度は大名は思惑通り動かないとくるわけで。

そういう要素が積み重なって、面白いことをやろうとしていて、実際遊び方が分かれば面白いのだけれど、分かったころにはほぼクリアが見えてしまってやることがなくなっているという悲しいバランスです。
キャラ育成も似たような残念さを抱えておりまして、気合い入れて育てたはいいものの、会心の忍が育ったころには汎用キャラを適当に育てただけのやつで十分だわ、なんて状態になってます。
この噛み合わなさがホントもどかしい……。


だいたいいつも金欠

振り返ると、ほとんど常に金策に追われていたような気がします。
毎ターン出ていく金が多いんですよね…。
先述の通り、情報というリソースがめっちゃ大事なシステムなんですが、よりにもよってこれが賞味期限付きで、一定ターンで消えてしまいます。
消えると困るので、常時情報収集任務をし続けるから金がかかります。
その情報を使って大名を支援するのにまた金がかかります。
で、そのへんが誤差に感じられるくらい忍の育成に金がかかる、と。

忍の卵の訓練は金の喰い方が異常すぎます。
そのくせ全然育ちませんし。
侵入者に毎回破壊される無常感に耐えきれず途中でやめてしまいましたが、訓練効率UPの施設建てとけば変わったんですかね?
現実問題、破壊されるたびに建て直すにも金が……。

結局、里で店舗スタッフやってるのと、敵対大名から金ぶんどってくる忍が一番貢献度高いまであるの、ホント悲しい。


内藤節全開

こういう短いイベントを積み重ねていくストーリーの進め方は、実に内藤騎之助氏らしいです。
ミッションをこなすごとに進んでいくスタイルも相性良し。
本筋シナリオ関連については、非開示の条件を満たさないと進まないとか面倒なこともなく助かりました。
「〇〇を〇個設置する」とか「〇〇家を滅亡させる」とかがイベントフラグだったら多分投げてました。

キャラタイトルの主人公が絶倫性豪系だと謎の安心感があります。
ほのぼのレイプ&即堕ちは話が早くて良いです。
ただ、いつも程度にはヒロインのイベントが物量あるので、別に即堕ちでなくてもいいのでは? と思ったりしましたが、味方ユニットとして使う以上は信用が要りますよね。
そっちを優先したのかどうかは知りませんが、権謀術策入り乱れる戦乱の世界観的には説得力があってよかったと思います。

ただ、エンディングのパターンはもう少し欲しかったなあと。
周回ゲーにしろと言いたいわけではないのですが、あれだけ育成に労力かけさせたのですから、それをぶっ放す場を用意していただきたかったです。
わりとちまちました作業プレイが長くなるので、圧倒的戦力で蹂躙して楽しいわけでもなく、エンディング見たあとのモチベーションが…。
このあたりもいまひとつ噛み合わない部分。


おわりに

陰で暗躍、くノ一的エロスに凌辱尋問、オートSLG…、コンセプトはすげえよかったんです。
押さえてほしいところも押さえてくれてるんです。
あと少しユーザーフレンドリーになれば、もうちょっといけたと思います。
実に惜しい一本でした。


2022.03.02