絶倫アクロバットおやじ 飛びます・いれます・いかせます 感想

ゼロ年代前半のアダルトPCゲームを語る上で、まず話題に上がることはないであろう隠れたクソゲーが本作です。
いつか半額にならないかな、とDLsiteでチェックし続けていましたが、諦めてクーポンで買いました。
FANZAと違ってDLsiteは買うタイミングが読みにくくてあまり好きになれません。
あいつら、セール中盤とかに平気でそのセールでも使えるクーポン発行してきやがりますからね。
要注意です。

え、コーデック…?

さて本作。
そもそも現行のWindows10環境で起動するのかなーという懸念がありましたが、何とかなりました。
さすがDL版(多分関係ない)。
ただ、アプリケーション自体は起動するものの、肝心の映像が再生できないという、わりと致命的な罠はありました。
素直に同梱されているコーデックをインストールしましょう。
下手に「コーデックとかひっさしぶりに聞いたわ!」とかいって現行環境で対応させようとガチャガチャやると、何故か変なツール入れてみたり、コマンドプロンプトいじくるハメになります、私のように。
幸福は普通に足元に転がっていますので、繰り返しますが素直に同梱されているやつを使いましょう。

CGのクオリティ的には頑張ってると思うんですよ

2020年現在、同人界隈でも普通にハイクオリティなエロCGの動画を見つけることができます。
そのあたりと比べると非常にチープなレベルですが、制作が2002年ですから、まあこんなもんじゃねえかと思うのです。
末期のPSレベルくらいは十分到達してません?
こういう技術をエロに、しかもバカゲーに注いだ人たちがいたってことが素敵だと思います。
そのあたりふまえれば、おやじに比べてヒロインたちあまりに棒読みすぎん? とかクソどうでもよくなります。
あ地味なところだと、モザイク処理がすごい丁寧なのはポイント高いです。
当時AV業界で「デジタルモザイク」とか流行りました。
アダルトゲームやらアダルトアニメだと、結構モザイク範囲がでかくて荒いのが多くて多くて。
まあ、そこまでして見たいかといえば、別にそういうのは無いのですけれども。

『スキージャンプ・ペア』まで圧倒的に届かなかった感

今さらですが本作を端的に表現すると、シュール系おバカセックスムービーのオムニバスです。
方向性としては『スキージャンプ・ペア』を目指した雰囲気を感じますが、ネタとして突き抜けきれなかったというか、キレが足りなすぎるというか。
おやじのキャラとかバカバカしさは良い線いってはいるのですが……。
これはあくまで邪推ですが、アダルト作品なのだから実用性も兼ね備えないと、とかそういう守りの気持ちがあったのかもしれません。
そういうのを取っ払って、純度100%のトンデモムービー集と開き直ってしまえばあるいは傑作たりえたかもしれません。
それをやってのけたのが『スキージャンプ・ペア』であったりするわけですし。

おわりに

先に述べた通り、間違っても万人受けする良作の類ではありません。
もう一歩か二歩、三歩か四歩かは測りかねますが、個人的に方向性は大好きです。
「必殺・ドアの開け閉め」とか、意味わかんなすぎて最高じゃありませんか?
全編通じてあのキレを発揮できればなぁという一本でした。

2020.08.23