サルバとーれ! 感想

個別ルートほぼ無しの一本道なくせにストーリーグダグダというやらかした感漂いまくりな本作です。
サブストーリーに入れないと野球部員を個人的に応援するだけになります。
このサブストーリーが結構笑えるだけに、こちらに入れないと本作の面白さ激減です。
メインストーリーも大概バカですが、サブストーリーはさらにもう一歩バカです。
このあたりのバカバカしさは良い感じでした。
エロシーンについても、メインヒロインよりサブヒロインの方がシーン数多いというまさかの展開です。
メインの四人は一回ずつなのに、野球部カップルは三回、三回目のシーンの時点ではどのヒロインのエンドに入るか確定すらしていないという、ああもうこのゲームは。

ミニゲームが二種類あります。
片方がすごろく、もう片方がゲージを見てクリックするだけのタイミングゲーです。
どちらも出来はyahooキッズのゲームレベルですが。
すごろくはホワイトバンドを使って好きなマスに止まるゲーム、タイミングゲーの方は失敗してもクリック連打で簡単に復帰できるため、あって無しがごとく。
ただしすごろくの方は、結果次第でサブストーリーに入れるかどうかが決まるので、ホワイトバンドの迅速なレベル上げが必要になります。
またミニゲーム自体はそんなに面白くないのですが、タイミングゲーの方のSDが結構笑えます。
アホです。
惜しむらくは、ミニゲームクリアのためにはグラフィックを見ていられないというところでしょうか。
痒いところに手が届かない、安心のライアークオリティです。

本編の内容に反してエンディングムービーが無駄にかっこいいです。
このアンバランスさがたまりません。
エンディングテーマの「NeverFade」にムービーが最高に合っています。
後ろは振り返らずに突っ走る青春っぽさと、しかしその熱い時代がずっと続くわけではないという現実との対比が、楽しい時間のラストであるエンディングムービーにぴったりです。
夕焼けと河原の組み合わせってずるいです。

全てのすごろくパートでスコアが300に届かず、かつヒロイン選択で三回とも異なるヒロインを選んだ場合に出現するあのENDは、五時間分くらいのアホシナリオつけるべきでした。
きっと誰も文句言わなそうな気がします。
岡崎関連であれだけ悪ノリしたんですから、むしろそっちメインなくらいでちょうどいいです。
企画原案の岩清水氏も、シナリオの天野氏も、悪ノリ系の方が輝く人材ですので。

全方位に向けて垂れ流すテキトー感を気合と勢いで乗り切ってしまった印象です。
ショボいミニゲームに特にこだわりがあるというわけでもない一本道シナリオに、とってつけたようなエロシーン。
個々を見ていけば物足りなさ溢れる出来にも関わらず、最終的に「あれ、何か面白かったんじゃね?」と感じてしまう、これが岩清水マジックです。
完全に騙されている気がしますが、きっと騙されたままの方が幸せな一本でした。