レベルジャスティス 感想

ついにソフトハウスキャラのタイトルが合同まとめ買いセールの対象になりまして、なんとDL版が1000円で購入できました。
かたくなにセールを拒んでいた時代が懐かしい。
この調子で他タイトルも、DL版で買いなおしを進めたいです。
次はソフトハウスキャラ単独でのまとめ買いセールを、はよはよ。


思ってたのと違うゲーム性

さて本作、怪人です。
悪の組織の怪人を作ってバトルとか激熱じゃないですか!
……というテンションをぶち壊すといいますか、肩透かし感がなかなかです。

これはソフトハウスキャラ的に、ガンガン怪人作って戦う、という想定なんですかね?
イヴシードは結構な数が手に入りますし、ミッションでも「怪人を〇人作れ」みたいなのありますし、怪人作れと誘導する気配は感じるのですが、システム的には1体強い怪人がいればそれでOKなんですよね、これ。
複数の怪人でチーム組んで戦うわけでなし、負けても復活するので怪人ロストするわけでなし、複数の怪人を運用する場面がありません。
むしろ負けたらロストになるコゾーンたちの方が痛いくらい。

また戦闘システム的にも、情報部のレベルを上げていないと完全に運ゲーなので全く安定感がなく、とにかく稼げません。
ちまちましたコイン稼ぎがだんだん辛くなります。
しかも、情報部のレベルを上げたら上げたであと出しじゃんけんをするだけなので、結局作業プレイが続くだけという。
戦わずして目的を達成する、戦うにしても戦う前に勝ちを確定させる、みたいな進め方になるので、少なくとも爽快感はないです。


悪の組織のリアル

強い怪人作ってとにかくパワーで殴る、が通用しない本作。
情報部を鍛えて敵がいないところに攻めこむとか、相手が何してくるか見えるようにするとか、華はないです。
もっと言えば、福利厚生に力を入れないと詰むとか生々しすぎます。
悪の組織はモチベーション保つのが何より大変だと、岡田斗司夫が『「世界征服」は可能か? 』で言ってました。
反社会的な行いって続けるのに相当な目的意識必要ですし、それに見合った報酬も期待できないし、(一般的な悪の組織は)失敗したときの罰はやたら厳しいし、といった具合で。

そのあたりは、コメディタッチに描くことで上手く処理したように思います。
「悪の組織」というとあれですが、現在の政府・行政を打倒したいということはクーデターとか革命とか、そういう言葉が該当します。
そのあたりを突き詰めていくとボロが出るのは明らかです。
と言いますか、「悪の組織」という存在自体がもうギャグですからね。
あとこれが出た2003年当時、不況と就職氷河期の末期で、シリアスに描くとヴァルキル構成員たちのリストラだなんだの重すぎる……。


周回は辛い

とりあえず1周やって、CG全然空いてないのでとりあえずもう1周となった時、やはりソフトハウスキャラなので周回の仕様が気になります。
で、それがなかなか明後日の方向いてまして。
というかこれ、前周の内容が反映されない一律のボーナスなので、そもそも周回プレイでもないですね。
ターン制限もないので、周回とか引継ぎとかあんま意味ないですし。

結局ほぼ普通にやり直しですね。
あの長く苦しい情報部へのコイン貢ぎ作業をしなければならないと思うと、かなり萎えます。
便利を手に入れるための努力はできるんです。
ただ、一度便利を知ってしまった後、ゼロからまたそれを取り戻す努力をするのはとても辛いのです。
一応、便利を取り戻すまでの速度は圧倒的に短縮できているものの、もう一回ここからか~っていうあれがね。
上げた生活水準を下げることは難しい、みたいな話がありますが、まさにそんな感じ。


おわりに

遊びの設計があと一歩、といったところでしょうか。
もうちょっとなんとかできたと思います。
同じ作業プレイにしても、もう少し目的意識とか工夫の余地があると違うんですけどね……。
これの次に出たのが『巣作りドラゴン』かと思うと、その間に何があったのよってめっちゃ気になります。
内藤氏が2ちゃんねるで「どうしたらいい?」みたいな話をユーザーからダイレクトに聞いてたのがこの時期でしたっけ?
そういう意味ではシステム的な粗さも、ソフトハウスキャラ夜明け前、みたいな味わいに感じられるかもしれない一本でした。


2021.07.18