姉、ちゃんとしようよっ! 感想

昔々、アダルトPCゲームというジャンルに出会って間もない頃にプレイをしました。
このジャンルってオカズ的用途一辺倒だと思っていた私に結構な衝撃を与えてくれた作品です。
前々からFANZAであねしよ1+2セットを狙っていまして、とうとう前回の2020GWセールで半額購入したんです。
そしたら今回の2020サマーセールで500円になってやんの。
某二学期の影響でインターハート絶対許さないマンに堕ちた私ですが、またヘイトを募らせてしまったわけですね。
やってくれたぜインターハート。

さて本作、10年以上ぶりのプレイになりました。
今やるとホント時代を感じる作りですね。
興味深いのは、あくまでインターハートの枠組みというか、文脈を継承しつつタカヒロ氏が持ち味を発揮している点です。
悪戯シリーズなどに代表されるように、当時のインターハートは基本的に抜きゲー一辺倒。
一方でタカヒロ氏は、今でこそコメディ路線のキャラ萌え系界隈ではトップランナーの一人ですが、当時はプログラマー上がりの新米クリエイター。
いきなりやりたいことを全部はやらせてもらえず、かといって従来路線の抜きゲーは作りたくない。
そんな希望と妥協の産物が場所移動でストーリーを、鍛錬でエロシーンをっていう構成なのだとしたら、とても味わい深くありませんか?
「きゃんでぃそふと(当時)」で別ブランド戦略を取ったのも大正解だと思います。

設定やシナリオ面でも、限られたリソースで実に上手くバランスとっています。
一見、節操なくやりたい事全部ぶち込んでみたんだけど、何もかも足りなくて結局全部軽く触れただけで終わってしまったわ~みたいに見える部分もありますが、それが許される雰囲気作りが絶妙すぎます。
例えばともねえのジガ周りの設定。
多分、特撮好きのタカヒロ氏が仮面ライダーやりたかっただけなんだと思います。
それを細かい説明は省いて「まあコメディだしな」で済む範囲で盛り込んでしまうのは氏の手腕でしょう。
仮面ライダー的変身ヒーローモノで一本作ろうと思ったら、恐らくめちゃめちゃリスク高そうなので普通にやったらインターハートは許してくれないですよね、当時新米の氏には。
それくらいぶっとんだ要素をちりばめているからこそ、柊家という極めて限られた範囲内で展開される話が各ヒロインで似たり寄ったりにならず描けているのです。
ヒロイン全員が同じコミュニティに所属している設定だと絶対ダレる部分が出てくるんですよね。

タカヒロ氏のキャラクターデザインは当時から私に効きます、とても。
私への刺さり具合は、バストサイズがそのまま反映されているとお考え下さい。
要芽姉様に至っては、タカヒロさんあんたも毎回好きね~って感じの安心感があります。
黒髪ロングで気が強い自立した女性(あと乳がでかい)というのはタカヒロ作品では固定枠みたいなものですね。
また、細かく見ていくと、それぞれのヒロインにリソースの割り振りが結構格差大きくて笑います。
雛乃姉さんなんかは普通に個別の一枚絵が数枚ある程度とバストサイズ同様に貧相な割り振り。
一方で例えばともねえ、敵モンスターやら専用キャラ、変身後の立ち絵まで実に充実しています。
おおむね、バストサイズの大きいヒロインは充実しているので私的には満足です。
というかバストの小さい人たちはあんまり興味が……。
ともねえと瀬芦里ねぇねぇが強すぎます。

冷静に考えると本作、ボリュームおかしいです。
テキスト量やCGの物量だけ見ればミドルプライスの範疇かもしれませんが(CGに関してはそれでも多め)、そこに盛り込まれているアイデア量やジャンルにとらわれない展開など、数字で表に出てこない部分でのボリュームがすごい頑張ってます。
パロディ要素もこの頃は探り探りな感じが逆にいい塩梅で、これくらいのこっそり差し込んでいるくらいが私は好きです。
とはいえ、私の思い出補正による部分もありますので、今初見でやったらどう感じるのか、それはそれで興味があるなと感じる一本です。

2020.07.26