へんし~ん!!!~パンツになってクンクンペロペロ~ 感想

まあどこに出しても恥ずかしくないバカゲーです。
こういう勢いのあるバカゲーを作れるところは減っているので非常に貴重です。
貴重だからこそ買い支えていかなくてはなりません。
私は初回版を購入したので、過去の二作品も同梱されており得した気分なのですが、よくよく考えると1本の購入で3本ついてきてしまったわけです。
私はだいたい月に2~3本購入しますのですが、これ1本で3本分となると他に買ってもプレイする時間がないのです。
ただでさえ積みゲーが増えてきているというのに、1本が3本入りだなんて……特典が重荷になるなんて罪作りなゲームです。

主人公は未来からやってきた謎生物ナナコに渡された謎端末アームドと、体内に注入されたナノマシンの効果に変身能力を手に入れます。
ここでSFの方向に持っていったのが非常に好感度高いです。
ナナコが未来に帰るためにヒロインの情報が必要とか全くもって因果関係が理解できませんがいいのです。
異世界からやってきた女の子が魔法で全て可能にするよりもよっぽどアリです。
魔法は思考停止へといたる毒の実ですから。
やっていることはほぼ魔法なんですけどね。
この作品のメインというのはバカさと変身能力による異常シチュエーションでのエロですから、それ以外の細かいところっていうのはご都合主義で流してもいいんです。
万能設定魔法の悪しき点っていうのは、物語の根幹に魔法を置いて、事件の原因から解決まで魔法やら超常の力で行うことにあります。
魔法っていうわけのわからない何でも出来ることで発生したものを、同じように分けのわからない何でも出来るもので解決する。
そうやって考えて理由や根拠を練る必要がなくなっていくのです。
そしてそれが製作過程の全てに伝播していくことで何の面白みも魅力もないゲームが量産されていくんですね。
失礼、個人的な愚痴です。

主人公の突き抜けたバカさが最高です。
この頭の悪さはちょっと異常といっていいでしょう。
もちろん褒めてます。
そのバカさが、まさかそんなエロスが日常に潜んでいたとは、という新しい発見をもたらしてくれるのです。
だってどういうプロセスを経たら「扇風機に変身してパンツをくんかくんかしてやろう」っていう発想にいたるんですか。
普通に生きていたらまず無理ですよ。
そういう突き抜けたバカさを描くっていうのは、実は相当頭が良くないと出来ません。
このライター、相当できます。

グラフィックはすごくいいです。
パンツの食い込みがエロいのはもちろんですが、何より素晴らしいのがこのモリマン。
今はもしかして死語でしょうか。
しかしあのぷっくり膨らんだ土手をつついてみたいというのは男という生き物であれば避けられぬ衝動なはずです。
そしてモリマンっていうのは下着越しでこそその真価を発揮します。
下着があの膨らみを強調してくれるんですね。
そのあたり原画のあかざ氏はよく理解しておられる。
主人公が終始「くんかくんかしたい」とアホみたいに漏らしていたその傍らで、私は「つつきたい、顔をうずめたい」と思っていたのですから人のこと言えません。

これは私の極めて個人的な性的嗜好の話になるのですが、私はバイブを挿入したままパンツをはかせバイブの底を伸びきったパンツで押さえてられウィーンウィーン唸るバイブ悶える女というシチュエーションが大好きです。
パンツに変身した主人公が、局部だけ実体化させてヒロインに挿入しているシーンがまさにそれなわけです。
ひどく興奮しました。
どこまでも変態でいてくれる主人公には感謝の思いが絶えません。
しかも基本的に主人公はヒロインの周囲の物品に変身していたずらを仕掛けるわけですから、似たようなシチュエーションが盛りだくさん。
これは本当に予想外の拾い物でした。

いくつか文句を言うならば、まず主人公が十分にバカであり、笑いというものを自製するだけの能力を持っているにもかかわらず、中途半端なパロディネタが多かったこと。
元ネタにもよりますが、いろんなところで見飽きたネタを使いまわされても全く面白くないばかりか不快ですらあります。
使いやすいのは分かりますが、だからといって楽な方に楽な方にいかれるのは嬉しくないです。
きっとパトベセルのときに好評だったのはパロディネタだったと勘違いしてしまったのでしょう。
あとはスキップが移動場所選択後継続できないこと。
二周目以降は毎朝毎晩のななことのやりとりや、移動場所選択前のやりとりをスキップしたくてしたくてしょうがなくなります。
にもかかわらずイベント終了後はスキップが止まってしまうので、毎回毎回スキップを押すのが面倒でたまりません。
小さなことですがこれは結構ストレスたまります。
あともう一つ、主人公が変身しないときのエロシーンが全くエロくないです。
黙ってお前は変身してバカなことやってろと思うんですが、物語には結末、オチが必要です。
そのために必要なことなんでしょうが、それにしたって刺激が足りません。
ここまでイタズラで頑張ってきたんですから、別に主人公とヒロインが結ばれる必要ないと思うんですけどね。
まあきっと形式美ってやつです。

バカゲーかと思えばしっかり抜ける、素敵な仕様でした。
メイビーは完全に沈黙したと思っていたので嬉しい誤算です。
次回作もバカな作品を期待します。