悪魔聖女 感想

惰性のキャラです。
こっちのチームは直近だと『プラネットドラゴン』と『領地貴族』で、まあ連続でやらかしているわけです。
さすがに3本連続やらかしは無いだろうとオープン早々に公式サイトを覗きに行ったら、……あれ? みたいな。
正直怪しさしか感じなかったわけですが、まあ長い付き合いですし、停滞期を支えるのもファンの勤めでしょう。

なんて事を言いながら、『DAISOUNAN』『忍流』からの『BUNNY BLACK』みたいな奇跡を、心のどこかで期待していた私がいた事を否定しません。
実に甘い幻想でした。
直近3本の中でも本作、さらに頭一つ抜けて酷い。

私がソフトハウスキャラに求めるのは、1週間くらいわけ分からないくらい熱中して、なんであんなにハマってたんだろうと後になって不思議に思うあの感覚です。
さすがにそれは理想的過ぎるとしても、ゲーム的な遊びっていうのは求めたい。
そこを裏切られました。
そんなん体験版やりゃ分かる話なのでしょうが、公式ページにシステム紹介の項目があれば何らかの遊びは仕込んでくれると思いません? キャラがゲーム性を盛り込む以上、なんらか遊べる部分はあると思いません? なんかもう、そういう根本的なところで掛け違えたなあ、みたいな。

一方的に非難するのもあれなんで一応擁護すると、ゲーム性自体はあります。
確かに、遊び要素ゼロというわけではありません。
ゼロではないのですが、これで胸を張られてもちょっと……。
詰め将棋から奥深さとか選択の幅とか、そういうのを削った感じとでも言いましょうか。
どう好意的に見ても面白いものではありません。
しかもこれ、事前の試行と本番で微妙に結果がズレるケースがあって、これが地味に腹立たしい。
しかも本番だとランダムで試行では発生しないコマンドが出るし。
お助けのつもりかもしれませんが、逆にそれ選んだ方が都合悪い。
コマンドが一個ズレると平気で大勝が大敗になったりするので。

それ以上に酷いのがこのコマンド、本番バトル前に各ヒロインとこなしたイベント回数=本番での使用回数になるのです。
つまり、イベントCGやらエンディング開放の開放のために戦術が限定されるという仕様。
面白くも無いゲームで縛りプレイ強要という、なんだこの罰ゲーム。
そのくせにラスボスが結構しんどいんですよ。
初回なんて私、どうやっても試行パートで倒せないもんで、最終的にランダムコマンド頼りのぶっつけ本番出たとこ勝負でした。
かつ、2周目以降の救済措置なんかは無し。
上記のランダムコマンド限定で回収できる各ヒロインの触手CGの回収面倒くせえとか、そういうのがかわいく見えるレベルです。
そこそこ頑張ってイベント回収目指しましたが、3周目くらいでフルコンプ諦めました。
全エンディング回収せずにこういう記事書くのはどうよ? みたいな葛藤が一瞬ありましたが、まあ許されるでしょうきっと。

でも待て。
それでも待て。
もしかすると、ゲームパートに割くリソースをシナリオに極振りしたんじゃないのか。
お任せください、そういう期待もばっちり粉砕いたします。

まず全体的に説明不足感。
都合の悪いところは大体魔法ということで無理矢理説明します。
キャラ的世界観を熟知してるので言ってること理解は出来ますが、納得は薄いです。
元々内藤氏は短いイベントを数量そろえて積み上げていくような書き方しますが、本作の場合その方向性が全く明後日の方向向いています。
あっても無くてもどうでもいい小話が多い割に、本筋は進んでいる感がない。
そもそも後半に至るまで何と戦っているのか不明瞭ですし、もっと言えばこのイベントのあり方自体がバトルでのコマンド回数取得のための手段なので、事前シミュレートを終えたプレイヤー的には早く本番で敵倒したい真っ只中なわけです。
その話、今要る? みたいな。

悪魔娘の看板料理』あたりから感じていましたが、ホントゲームバランスの調整に力が入っていない気がします。
とは言っても、『プラネットドラゴン』は1周遊びきりと思えば、世界観にも力入れてましたし許せました。
『領地貴族』も、度が過ぎた強くてニューゲームですが、少なくともエンディング回収作業は捗りました。
ですが本作、なんかもう面倒臭さしか感じません。
ヒロインの印象も薄いので周回の意欲もあんまり湧きませんし。

ゲーム要素がパズル的なのは、変動要素を少なくしてるだけですよね? 動く数字が少なければ少ないだけバランス調整楽ですから。
また、こういう考え方は物量至上主義みたいで非常に嫌なんですが、すっごい短い。
1周自体短い上に、周回プレイする内容でもないので、0時のDL版解禁から、夜のうちに軽く感触を確かめ就寝、翌日の昼過ぎにはもう終わってましたもの。
しかも、ずっと本作プレイに専念したわけでもないのに、です。

この業界、過去に何人も過去何人もラノベ業界に惜しい人材を持っていかれました。
今回は「小説家になろう」にやられた感があります。
『異世界のんびり農家』を連載中の内藤氏。
本作のリリース待ちの間、ちょろっと読ませていただきました。
すごい人たちとのコネでさくさく進んでいく感じが、もし『サラリーマン金太郎』が困難にぶつからなかったら? みたいなノリで、私は結構好きです。
そっちを書くなとは言いませんから、もうちょっと本業にも労力つぎ込んで良いんじゃないですか? 『異世界のんびり農家』の初投稿が2016年末。
『プラネットドラゴン』が同年6月で、『領地貴族』が翌17年8月。
さて、これをどう考えるべきか。

2018年11月30日は、本作と同時にエウシュリーの『封緘のグラセスタ』が発売で、遊べるタイトルが被ってるよヤバいよ、みたいなテンションでしたが、見事に明暗が分かれたようです。
もちろん本作が暗の方。
まあ、『封緘のグラセスタ』はまだプレイ中なので、最終的にどうなるか分かりませんが。
暗暗とかになったら嫌だなあ……。

世界でも上位500人に入るキャラファンだと、手前味噌ながら私思っておりますが、今回は擁護不可能です。
この思い、こうやって自分のページでオナニーみたいに書き連ねるだけではなく、しっかりキャラに伝える必要があるな、とは感じているのですが、今回からDL版購入なのです。
アンケートはがきってどうなってるんでしょうか。

そういうわけで、10年以上にわたる私とキャラの蜜月関係に濃い影を落とす一本でした。

2018.12.08